あおり運転や逆走などにも対応、道路の安全性向上
サーモグラフィーや赤外線カメラなどを取り扱う米フリアーシステムズの日本法人フリアーシステムズジャパンは6月18日、交通監視用のTrafiBot(トラフィボット)AI 4K可視カメラシステムを開発したと発表した。
高速道路からトンネルに至る都市間道路で画像解像度を落とさず、帯域幅の問題によるデータ損失もなく、優れた検知性能と最も信頼性の高いトラフィックデータを収集できるのが特徴。
過去30年間に世界中で収集された数百万枚のフリアーシステムズの画像から開発されたフリアー独自の2つのAIモデルを採用。1つは落下物を識別・分類し、もう1つは歩行者や自転車などの道路利用者に加えて電動スクーターや自動車輸送車のような特殊な車体を含む車両を見極める。
フリアーシステムズの特許取得済みの3Dワールドトラッカーと組み合わせることで、TrafiBot AIはシーン内の事故を検知する能力を改良。車両が視界に入ると、追跡対象が他の車両や物体、道路インフラに遮られたり、不明瞭となった場合でも、カメラは車両の速度や軌道を予測する。
また、TrafiBot AIは、突然の車線変更、あおり運転、逆走ドライバーなどを検知し、交通管理者に重要なデータを提供することで、誤警報を減らし、事故を未然に防止できるよう管理を強化できると見込む。
IP66/67準拠のステンレス鋼製筐体に収められており、塩気や湿度などあらゆる天候、道路やトンネルの清掃作業による高圧放水などに耐えるように設計。4Kカメラは6~22mmの光学ズームと最大300mの検知範囲を備え、従来のフリアーシステムズのインテリジェントトラフィックカメラと比較して、カメラ1台当たりの検知範囲が広くなったため、意思決定のサポートが向上しているとみている。
(藤原秀行)※いずれもフリアーシステムズジャパン提供