神奈川の20代消費者、半数が2024年問題「知らない・分からない」と回答

神奈川の20代消費者、半数が2024年問題「知らない・分からない」と回答

トラック協会調査結果、再配達有料化にも拒否感強く

一般社団法人神奈川県トラック協会は6月25日、神奈川県の運送関係者1035人と一般消費者3000人を対象に実施した「物流の2024年問題」に関する意識調査結果を公表した。

運送関係者の8割超は内容まで理解している一方、一般消費者の約3人に1人が「名称も知らない」と回答しており、運送業界以外への浸透に課題を残していることが分かった。

また、運送関係者は再配達の有料化を求める半面、一般消費者の約3人に1人は「有料化は考えられない」と否定。双方の間で意識に差があることが浮き彫りとなった。

神奈川県トラック協会特設サイト:https://www.kta.or.jp/pub/project2024/01/

2024年問題について運送関係者の85.5%が「名称も内容も理解している」と回答。しかし、一般消費者で「名称も内容も理解している」と答えた人の割合は全体の35.6%にとどまり、運送関係者の半分以下の割合にとどまった。

一般消費者の中でも、特に20代は約2人に1人が「名称も知らない・内容も分からない」を選択しており、若い層への周知が強く求められる状況になっていることが示された。

再配達を削減するなど効率的な運送に向けた機運が高まっているが、一般消費者の約3人に1人が再配達の有料化について「追加で支払うことはできない・考えられない」と拒否した。

運送関係者からは仮に宅配の場合、「再配達を希望する方に対しては2回分の運賃として1000円以上は負担してほしい」、「置き配ができる施設を充実させたり、不在の場合は受け取る側が自ら引き取りに来る制度を導入してほしい」など、有料化やトラックドライバーの負担を軽減するための対応策を求める声が複数見られた。

また、運送関係者の約7割が2024年問題の解決には「荷物を運ぶ適正な運賃や送料の値上げに理解を示す」、「トラックドライバーの待遇を改善する」ことが必要との考えを表明。「予定外の待機や商品の持ち帰りなど発荷主・着荷主都合により拘束時間が増えてしまっている」など、「運ぶ以外の仕事」に関して改善を求める声が多く聞かれた。

2024年問題やトラックドライバー不足を解決するために必要だと思うことについて、運送関係者に尋ねると、「荷物を運ぶ適正な運賃や送料の値上げに理解を示す」(71.2%)、「トラックドライバーの待遇を改善する」(71.1%)が上位を占めた。

具体的には、「ドライバーの賃金面での待遇と待機時間の問題を改善しないと、これから先さらに人手不足になっていくと思う」「輸送会社だけでは解決できないので、荷主も理解して待機時間の削減や運賃値上げを積極的に協力してほしい」など、トラックドライバーの人手不足を懸念する声や荷主に改善を求める声が多数聞かれた。

指定された時間から積み込み・取り卸しを始めるまでの「1日の平均荷待ち時間」に関しては、運送関係者の約15%が「2時間以上」と回答。また、トラックドライバーの「運ぶ以外の仕事」に関して、一般消費者の半数近くが認知していないことが明らかになった。

運送関係者の間では「法改正によってトラックドライバーの労働時間に上限が課されているが、予定外の待機や商品の持ち帰りなど発荷主・着荷主都合により拘束時間が増えてしまっている」など、改善を求める向きが目立った。

また、「拘束時間の規制が厳しくなったことに伴い、1日に走行できる時間も限られるため、高速道路の利用は必須、高速料金の負担を発注者負担(荷主負担)にしてほしい」などの要望も出ていた。

<調査概要>
調査地域        :神奈川県
対象者条件(サンプル数):運送関係者 1,035人、 20~69歳の一般消費者 3,000人
調査手法        :インターネットアンケート調査
調査期間        :運送関係者 2024年4月16日~5月16日
             一般消費者 2024年4月19~23日

(藤原秀行)※いずれも神奈川県トラック協会提供

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