独自機体開発、GPS使えない狭小空間も対応可能
東京証券取引所は6月25日、ドローンを使った点検・測量サービスなどを展開しているLiberaware(リベラウェア、千葉市)のグロース市場への上場を承認した。上場は7月29日付。
ドローン関連事業を軸に展開している企業の上場は、国内ではACSL、ブルーイノベーションに続いて3社目とみられる。
Liberawareは2016年、産業用ロボットシステムの開発などを手掛けるため設立。18年には三菱地所などと自律飛行ドローンを活用した、GPSを使えない狭小空間の地下トンネル内の点検を実施した。
「見えないリスクを可視化する」をビジョンに掲げ、ドローンやロボットを使ったインフラ設備やプラントなどの点検に注力。狭い空間でも安全に飛行、搭載したカメラで点検可能な独自のドローン「IBIS」を開発し、自社での活用に加えレンタルにも対応している。
今年2~3月には、2011年に事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所1号機格納容器内の調査を実施した。1月に起こった能登半島地震では被災地で倒壊した建物内部をドローンで確認するなど、復旧支援活動に参加した。
ドローンなどで撮影したデータを画像処理し、デジタル空間に再現する「デジタルツイン事業」や、新たなソリューションを考案する「ソリューション開発事業」も拡大を図っている。
23年7月期の単独売上高は3億7960万円、当期純損失は6億4110万円の赤字だった。
(藤原秀行)