【現地取材・動画】立体型高速仕分けや小型協働パレタイズのロボットデモ公開

【現地取材・動画】立体型高速仕分けや小型協働パレタイズのロボットデモ公開

プロロジスが茨城・古河の物流施設内覧会で実施、AI画像センサー活用の提案も

プロロジスは6月26日、茨城県古河市で開発したマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」の内覧会を開催した。同社が最近注力している新たな試みとして、庫内作業の省力化・省人化に寄与できる先進技術のデモも併せて実施した。

同社や三菱商事などが出資し、倉庫向けロボットのサブスクリプションサービス「Roboware(ロボウェア)」を展開しているGaussy(ガウシー)、筑波大学発のベンチャーでロボット開発を手掛けるCloser(クローサー)、ソニーグループで半導体事業を担うソニーセミコンダクタソリューションズの3社が登場。それぞれ自らのソリューションを発表し、デモも公開した。

「2024年問題」への対応として、物流センターでトラックドライバーらの荷待ち・荷役時間を短縮することが強く求められており、3社はそれぞれの独自技術で作業を迅速化し、社会的な要請に応えていけるとアピールした。プロロジスも良質な物流施設のスペース提供に加えて、2024年問題対応でも存在感を発揮していこうと工夫を凝らしている。


「プロロジスパーク古河4」外観(プロロジス提供)

Gaussyは、中国のHC Robotics製立体型仕分けロボット「OmniSorter」(オムニソーター)を紹介。立体型のため、平面型のソーターより省スペースを実現し、10坪から設置できるという。また、1200ピース/時(最大2500ピース/時)の高速仕分けが可能で、出荷先の数や出荷量に合わせて間口数や仕様をカスタマイズできるため、作業時間を3~6割短縮できると見込む。

Gaussyが2022年に取り扱いを始めて以降、2年間に全国で物流企業やファッションEC事業者らが50台導入を決めてきたという。


オムニソーター。商品を高速で仕分けていく

Closerは小型協働パレタイズロボット「Palletizy」(パレタイジー)をお披露目した。ファナックのロボットアームを採用し、取り扱う段ボールとパレットのサイズをシステムの画面で入力すれば、最適な積み方のレイアウトと段の構成を自動で生成、作業を始める。最大30kg(アームの重量含む)まで持ち上げられるため、米袋なども対応できる。1分間に最大9回の処理が可能。

ロボットにはキャスターが付いており、製造や物流のライン変更があっても柔軟に設置場所などを変えられる。トラックから降ろしたケースを自社内用のパレットに積み替えるなど、生産現場や庫内作業の領域でコンパクトに自動化を始めたいとの需要にマッチするとみている。


Closerの小型協働パレタイズロボット。システムで最適な積み方のイメージを分かりやすく表示する

ソニーセミコンダクタソリューションズは、AIを内蔵した画像センサーをさまざまな機器に組み込み、業務効率化につなげるソリューション「AITRIOS(アイトロス)」のイメージを公表した。Haocbuと連携し、同社のバース管理システムと組み合わせることで、物流センターでトラックが到着・出発した時刻をセンターで自動的に記録したり、トラックバースの混雑状況を把握したりと作業の進捗の可視化を想定。

また、トラックやかご車の積載率を画像センサーで自動的に割り出し、配車計画の最適化をサポートするソリューションも提案した。

(藤原秀行)

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