NTTデータ、「2024年問題」対応で中継輸送普及後押し

NTTデータ、「2024年問題」対応で中継輸送普及後押し

経路などの最適化プラットフォームを25年度にも実用化目指す、中小企業も参加可能に

NTTデータは7月10日、東京都内の本社で、「2024年問題」など物流業界が抱える課題の解決支援のための取り組み状況に関する記者説明会を開催した。

同社は2024年問題の解決策の1つとして注目が高まっている、長距離を運ぶ際の「中継輸送」普及を積極的に後押ししていく方針を表明した。

具体的には、同社が得意としている量子コンピューターを使った最適化計算技術を活用し、輸送する経路や荷物積み替えのために経由する中継地の場所などの最適な組み合わせを自動で割り出す「最適化モデル」の確立を目指していることを明らかにした。

その一環として、7月から三井倉庫ロジスティクスと連携し、配送依頼の実績データを用いて机上で検証を開始したことに言及。数カ月間にわたり、最適化モデルを使い、配送1件当たりのトラックの移動距離や台数を最小化して1台当たりの積載率を高められるかどうかを確認するとの狙いを解説した。

NTTデータは最適化モデルを完成させることで、特定の荷主企業や物流事業者だけでなく、多くの企業が参加可能な中継輸送推進のプラットフォームを立ち上げたい考え。1つの中継地を経由するだけでなく、複数拠点間での中継輸送も実現を後押しすることを念頭に置いている。

プラットフォームは輸送条件やトラック、鉄道貨物、中継拠点となる倉庫の空き状況などのデータを共有し、荷物の輸送依頼に基づいて最適な組み合わせを算出。運賃は輸送条件の最適化度合いなどを考慮した変動制(ダイナミックプライシング)とすることを試案として検討している。

説明会に登壇した同社コンサルティング事業本部サステナビリティサービス&ストラテジー推進室の南田晋作室長は「プラットフォームは中小企業の方々にも使っていただける仕組みにしていく必要がある」と言明。2025年度にも実用化していきたいとの思いを明かした。


(NTTデータ資料より引用)

(藤原秀行)

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