トーハンが正式に発表、「日販から全店舗引き継ぎで合意」など一部報道内容を否定
出版取次大手のトーハンは7月22日、同業の日本出版販売(日販)から2025年3月にコンビニ大手ファミリーマート、ローソン両社の店舗向け雑誌・書籍配送を引き継ぐ件に関し、3分の1程度の約1万店舗は配送を終了する見通しになっていることを正式に発表した。
日販は昨年11月、雑誌・書籍の販売量低下や物流コスト上昇などで収益が悪化していることを受け、全国のファミマとローソンの約3万店舗向け配送から25年2月末に撤退する方針を表明。その後、トーハンが業務を引き継ぐことで合意していた。
トーハンは7月22日の発表の中で、ファミマやローソンとの間で、25年3月に取引を開始することで合意済みと説明。その際、2社の約3万店舗全ての配送業務を引き継ぐことで合意した事実はないと強調、一部報道を否定した。
トーハンは「取引開始時点においては、配送可能店舗数が(ファミマとローソンで)それぞれ1万店程度となることについても、各社と真摯な協議を重ねた上で相互に確認している」と解説。トーハン側の一方的な判断で配送を打ち切るわけではないと明言した。
配送可能店舗数を絞り込む背景としては「新築拠点も含めて対応可能な物流センターのキャパシティによるもの」と言明。一部報道が言及していた「2024年問題」とは直結しないと明確に否定した。
具体的に配送を終了する店舗については、個別に協議を進めているという。
(藤原秀行)