2回目TOB成立、不祥事で業績悪化から再建急ぐ
中古車販売のグッドスピードは7月25日、ガソリンスタンド運営大手の宇佐美鉱油による2回目のTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。
1回目のTOBは今年4~5月、グッドスピードの筆頭株主だった加藤久統社長とグッドスピードの資産管理会社を対象に行い、両者保有のグッドスピード株式約47.69%を取得した。
2回目のTOBは6月26日~7月25日、両者以外の株主向けに実施。宇佐美鉱油の保有分は2回合わせて91.57%に上る。7月30日付でグッドスピードは宇佐美鉱油の子会社となる。
今後、グッドスピードは宇佐美鉱油を引き受け先とする第三者割当増資を行う。宇佐美鉱油は9月ごろをめどにグッドスピードを完全子会社化する見込み。
グッドスピードは不適切な会計処理などの問題が相次ぎ判明、信用低下で業績が急激に悪化したため、宇佐美鉱油をスポンサーに得て、再建を急ぐ。
脱炭素の潮流が強まり、長期的には燃料油の需要が伸びることを期待しづらいため、宇佐美鉱油は新たな収益源として車検や修理、カー用品販売などのカーライフ事業を伸ばしていくことを目指している。グッドスピードを傘下に収めて同事業の基盤強化を図る。
(藤原秀行)