三菱重工機械システム、3辺サイズ可変の自動製箱機を開発

三菱重工機械システム、3辺サイズ可変の自動製箱機を開発

負荷やコスト低減見込む、輸送効率化などで「2024年問題」対応も促進

三菱重工業グループの三菱重工機械システムは8月1日、商品物流の配送コスト削減や輸送効率向上に寄与する3辺サイズ可変製箱機「COMPOX/コンポックス」(商標登録出願中)の開発を完了したと発表した。

EC通販事業者、梱包・輸送を担う物流センターなどに向け、9月に受注販売を開始するす。

3辺サイズ可変製箱機は、商品の配送時に使う段ボール箱の3辺(縦・横・高さ)を、商品サイズに合わせて自動的に変え、梱包に必要な最小サイズで箱を供給する。


3辺サイズ可変製箱機「COMPOX/コンポックス」

3辺合計サイズが最小50cmから最大130cmまでの段ボール箱を、最大10箱/分(600箱/時)の速さで自動製箱できる。連続した段ボールシートを製品サイズに合わせて都度切り出して成箱するため、複数の大きさの資材管理が不要で、梱包商品の個数やサイズ情報に基づく3辺サイズは、三菱重工が開発した「箱サイズ最適化ソフト」によるシミュレーションで算出する。

形状が不安定な液体パックや球体製品および複数の製品は人手による箱詰めで対応したいという業界ニーズを受け、段ボール箱を作るまでを標準仕様と設定。自動封緘は別装置によるオプションとして追加できる。

商品サイズに最適な最小サイズの箱で梱包・配送できるようになり、箱内の無駄なスペースや隙間を埋める多量の緩衝材も不要のため、EC通販事業者、物流センターなどにおける配送コスト削減に大きく貢献するとみている。

「2024年問題」に対しても、箱のサイズ決定から製箱までの自動化などによる業務負荷低減および省人化、段ボール箱のサイズダウンに伴う輸送トラック荷室の省スペース化と積載効率向上、トラック台数ならびに燃料費の削減、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出抑制などに寄与すると見込む。

さらに、自動倉庫やDXなどと連携可能な設計自由度の高さから、工場作業の梱包から積み込みまでの全自動化といった新たな物流トータルソリューションも提案できると強調している。


箱詰めのシミュレーション


製箱の工程(いずれも三菱重工機械システム提供)

(藤原秀行)

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