マレーシア・シンガポールの急速な顧客ニーズ拡大受け、サービス展開を一気に加速
東南アジア飲食店向けの産直ECプラットフォームを運営するSECAI MARCHE(セカイマルシェ)は8月5日、Beyond Next VenturesやSpiral Ventures Asia Fund I, L.P.、三菱UFJキャピタル9号投資事業有限責任組合、Future Food Fund 2号投資事業有限責任組合、常石商事、福岡ソノリク、山本徹氏(フーディソン代表取締役CEO=最高経営責任者)などから新たに3億円の資金を調達したと発表した。
シリーズA(会社創生期)としては総額5.1億円に達した。
(SECAI MARCHE提供)
SECAI MARCHEは2019年、生産者と消費者をダイレクトにつなぐ東南アジアからのBtoB産直ECの運営を開始。生鮮食品のフルフィルメントプラットフォームとして高品質で透明性のある生鮮食品を消費者(飲食店・小売店舗)に届けている。
日本やマレーシアなど、世界中の生産者のこだわり食材を4000点以上掲載し、野菜や果物、水産物といった生鮮食品を中心に一気通貫のフルフィルメントサービスを展開している。
東南アジアにおける外食産業の急速な成長や、マレーシア・シンガポールにおける高品質でコスト競争力のある同社サービスへの急速な顧客ニーズ拡大を受け、調達した資金はフルフィルメントセンターの拡充、AIを活用した需要予測の精度向上、ラストワンマイルの自動化・最適化に充て、ECサービス展開を一気に加速させたい考えだ。体制構築費とマーケティング活動にも充当する予定。
東南アジアのEC市場は2025年に2400億ドル(約36兆円)を超える規模になると予想されている。しかし、生鮮食品は冷蔵物流網(生産者から消費者へのコールドチェーンや小口の集荷配送機能など)が未発達のためEC化は進んでいないのが実情。
新型コロナウイルス感染症以降、生産者がECを介して直接消費者に販売するケースは増えたが、自社冷蔵物流機能を持つ生産者に限定されている。同社は冷蔵物流機能を持たない多くの中小事業者・生産者にフルフィルメントサービスを一貫して、かつ日本クオリティで提供することで、東南アジアの生鮮食品EC化を一気に進めていくことを狙っている。
(藤原秀行)