用地造成時の不具合判明
トーヨーカネツは8月9日、和歌山県橋本市で予定していた工場建設の計画を中止すると発表した。開発用地の取得を見送ることを決めた。
同社は昨年11月、同市内で用地を取得する方針を公表。省人化ニーズの高まりを背景とした多様化・高度化を伴う物流システム需要の増加を踏まえ、生産体制を増強するのが狙いと説明していた。新工場の操業開始は2028年を見込んでいた。
同社は取得見送りの背景について「用地造成時の不具合が判明しており、当初見込んでいたスケジュールでの工場稼働が不確実な状況となっていた」と表明。
「和歌山県有田市に構えている既存の和歌山工場で進めていた新棟建設・既存棟改良工事の内容見直しなど、代替策を検討・実施する必要が生じ、事業計画の着実な遂行および二重投資負担の回避のため、工場用地取得の見送りを決定した」と解説している。
新工場建設は2拠点生産体制に移行してBCPを強化する狙いもあった。同社は「BCP対策については現和歌山工場の設備強化などで実現していく」との意向を示している。
(藤原秀行)