実証実験経て20年春の商用化目指す
東急建設と直動システム大手のTHKは6月4日、段差や複雑なルートも走行可能な搬送ロボットの共同開発に向け、建設現場で実証実験を進めていると発表した。2020年春の商用化を目指している。
建設業界も人手不足が深刻化しており、現場作業の効率化・省人化が求められている。先進機器を活用し、負荷の軽減と業務の生産性向上を狙う。
建設現場でのロボット実証実験(東急建設とTHK提供)
物の配置などが日々変化する建設現場の環境に即して迅速に走行ルートが変えられるようにするため、THKが独自に開発した自律移動制御システム「SIGNAS」を採用。プログラミングの知識がない現場作業者でも容易にルート設定できるほか、サインポストを動かせばシステムが作動してロボット自身が自動的に検知、素早くルートを変更するという。
高出力のモーターを2基搭載しているほか、障害物を検知するセンサーなども使っており、前方に人間などを感知すればすぐにストップして事故を防ぐ。
東京都内の大規模マンション建設工事現場で実証実験を行い、台車に載せた 1トンの資機材を牽引しながら鉄板の段差を乗り越え、物の配置などの周辺環境が変化しても安定した走行ができることを確認している。
両社は搬送ロボットの導入で作業効率を約3割高めることを目標としている。建設事業者が導入しやすいようレンタルでの提供を予定している。
「SIGNAS」の制御イメージ(両社プレスリリースより引用)※クリックで拡大
(藤原秀行)