データ改ざんで基準値上限超えは631両に拡大
JR貨物は9月12日、列車整備の際、車輪に軸を取り付けた「輪軸」を組み立てる作業でデータを改ざんするなどの不正を行っていたことが判明した問題を受け、全ての貨物列車の運行を一時停止したことに関し、9月12日に安全性を確認した全列車の運転を再開したと発表した。ただ、大幅な遅れが起きているという。
同社によると、取り付けの際、軸を車輪に押し込む力が基準値の上限を超えた場合は傷が付いて強度が弱まってしまう可能性があるが、同社の車両所3カ所で基準値内に収まったように数値を改ざん、検査記録表に記入するなどの行為があった。上限を超えたのにそのままにしていたケースも見られた。
不正を公表した当初は、不正があった貨車が計560両、機関車が4両だった。その後、新たに安全性を確認できない車両が300両判明し、結果として貨車67両が新たに基準値の上限を超えた輪軸を搭載していた。トータルで貨車627両、機関車4両に上っている。
JR貨物は基準値の上限を超えた輪軸を載せた車両は運用停止にした。当該の車両所3カ所での輪軸組み立てもストップしている。
国土交通省は9月11日、鉄道事業法に基づき、JR貨物に特別保安監査を実施、安全管理体制の問題点について調査を進めている。
(藤原秀行)