年間約6万枚分の製品積み替え作業解消、トラックドライバーの荷待ち最大5000時間短縮も
ファイントゥデイ、米国のヘルスケア大手ケンビューの日本法人JNTコンシューマーヘルス、丸紅ロジスティクス、日本パレットレンタル(JPR)の4社は9月17日、日本・中国間の輸出入で、パレットを共同で循環利用する「パレットラウンドユース」を始めると発表した。
7月に試行運用を始め、実用化のめどが立ったため、本格運用に移行する。
日本から中国へ輸出するファイントゥデイ製品。従来は海外用使い捨てパレットへの積み替えが必要だったが(左・黒のパレット)、本件スキームは国内用レンタルパレットをそのまま使用して輸出する(右)
国内用レンタルパレットの日中間ラウンドユース概要図
ファイントゥデイがヘアケア商品「TSUBAKI(ツバキ)」を中国へ輸出する際に使ったパレットを、上海近くの丸紅ロジ拠点に集約した上でJNTコンシューマーヘルスが中国の工場から日本に洗口剤「リステリン」を出荷する際に再利用する。
日本に到着した後、JPRがパレットを回収し、ファイントゥデイに届ける。
ファイントゥデイはJNTコンシューマーヘルスとパレットを共同利用することで、年間6万枚使っていた使い捨てパレットの調達や廃棄コストが不要になる見通し。
JNTコンシューマーヘルスは難度も使えるパレットを使っていたものの、日本から輸出する商材がないためパレットだけを中国に送っていた。ファイントゥデイと組むことで、パレットの有効活用につながると見込む。
ファイントゥデイの中国輸出時における年間約6万枚分の海外用使い捨てパレットへの製品積み替え作業がなくなるため、トラックドライバーの荷待ち時間を最大5000時間短縮できる可能性があるとみている。
今後は中国以外の他国間でも同様のパレットラウンドユースのスキームを拡大するとともに、他の企業にも参加を呼び掛ける。
(藤原秀行)※いずれもJPR提供