JX石油開発と日本郵船グループ、常温でCO2液化する技術の実証実験

JX石油開発と日本郵船グループ、常温でCO2液化する技術の実証実験

エネルギー最大2割削減見込む、地下貯留の社会実装に貢献目指す

ENEOSホールディングス傘下で天然ガス・原油の開発を手掛けるJX石油開発と日本郵船、同社関連会社のKnutsen NYK Carbon Carriers(クヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ、KNCC)の3社は9月13日、KNCCの独自技術「LCO₂-EP Cargo Tank」を活用し、常温でCO2を液化し貯蔵・輸送する技術「常温昇圧(EP)方式」の実証実験を8月28日に実施したと発表した。

3社は今年5月、EP方式の特徴を活用した、ジュール・トムソン冷却方式によるCO2液化プロセスを考案。実証試験は、KNCCがノルウェーに保有する実証施設「テストリグ」に同プロセスの液化装置を追加して行い、パイプラインで集積・輸送した状態を再現したCO2を液化、LCO₂-EP Cargo Tankへ移送することに成功した。

3社によれば、同プロセスは原理上、従来の液化状態・方式に比べ液化効率が同等以上で、最大2割程度のエネルギー削減が見込めるという。

同プロセスに要する設備は、従来の液化方式よりシンプルかつコンパクトで、モジュール化や浮体化も検討可能なため、3社は全体のCO2液化設備のコストと敷地面積の削減に資することが期待できるとみており、CO2を地下に貯留する「CCS」の社会実装につながると想定している。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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