AI活用し振動データ分析、25年中に試験運用開始目指す
キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)とダイハツディーゼルは9月25日、非常用発電機の故障予兆検知システムの実用化に向けた実証実験を共同で開始したと発表した。
第1段階として、振動データとAI技術を用いた故障予兆検知の基本的な技術を確立した。
西東京データセンター
発電機外観
キヤノンITSは、自社が東京都内で保有する西東京データセンターの安定稼働のため、日々設備の予防保全や点検に取り組んでいる。しかし、設備の故障をゼロにすることは困難で、故障による冗長性の低下や、復旧のための突発的な対応や要員確保が必要となるなど運営上の課題が存在している。
故障予兆を検知できるようにすることで、計画的な対処を実現し、より安定したデータセンター運営が可能になると見込む。
実証実験はキヤノンITSが西東京データセンターで使用している正常な発電機の振動データを学習させたAIモデルを作成。発電機を供給するダイハツディーゼルが提供した劣化度の大きい発電機の振動データを、作成したAIモデルに評価させた。
検証を重ねた結果、劣化度の大きい発電機のデータを入力した際に正常な発電機のデータとは異なると判定する技術を確立できたという。
現在は次の段階として、評価データと劣化度の大きい発電機のデータとの差異を可視化する技術の開発に着手している。
今後は、可視化技術にダイハツディーゼルのノウハウを取り入れ、発電機の劣化要因の特定や劣化度合いの判断が可能となる技術開発を進め、プロトタイプによる故障予兆検知の試験運用を2025年内に開始することを目指す。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用