自社初、独自の保管サービスも本格展開へ
霞ヶ関キャピタルは9月27日、埼玉県三芳町で竣工した新たな物流施設「LOGI FLAG TECH(ロジフラッグテック)所沢Ⅰ」をメディアに公開した。
同社初の取り組みとして、マイナス25℃帯で食品などをパレット単位で入出庫・保管できるIHI物流産業システム製冷凍自動倉庫を導入。4190枚のパレットを収納できる。過酷な環境の冷凍倉庫内の保管業務を自動化することで、就労環境改善と省力化を図る。
「LOGI FLAG TECH所沢Ⅰ」の外観
SBSホールディングス(HD)傘下で食品配送を手掛けているSBSゼンツウが、約半分に相当する2000パレット分を利用することが決まっている。併せて、同社が1階の入出庫エリアで貨物輸送機器への積み込みや荷下ろし、入庫・出庫などの荷役業務を担う。
地上2階建て、延床面積は9621㎡(自動倉庫部分は仮想床で算出)。関越自動車道の所沢ICから約3kmのエリアに位置し、幹線道路の国道254号線や浦和所沢バイパスにも近接している。
入出庫エリアはチルド帯の5℃で設定。テナント企業のパレットから自動冷凍倉庫専用のパレットに積み変え、コンベヤーとクレーンなどで保管する。出荷の際はパレット単位、ケース単位のいずれにも対応できるという。
環境負荷低減のため、ノンフロンの自然冷媒を採用。太陽光発電設備も導入する。
入庫エリア。パレット積みのケースをコンベヤーで搬送する
自動倉庫内をクレーンが縦横に動く
霞ヶ関キャピタルは「LOGI FLAG TECH所沢Ⅰ」のメディア公開に併せて、同施設の自動倉庫を駆使し、グループのX NETWORK(クロスネットワーク)がパレット単位で小ロットから対応する従量課金制の冷凍保管サービス「COLD X NETWORK(コールドクロスネットワーク)」を今年11月以降、順次本格的に展開していく方針を明らかにした。
1日から短期間預けたいニーズと中長期にわたって安定して保管したいニーズの両方をカバーし、冷凍食品の普及などで伸び続けている冷凍保管需要に対応していきたい考えだ。
「LOGI FLAG TECH所沢Ⅰ」で同日記者会見した霞ヶ関キャピタルの杉本亮副社長(X NETWORK代表取締役を兼務)は新サービスに関し「自動化していることで、短期・少ロットで利用できるのが一番大きなメリットと感じている。波動にも対応できる」と強調。今後も冷凍自動倉庫を展開し、新サービスを早期に黒字化していきたいとの考えを示した。また、新サービスはウェブで利用の申し込みや予約、商品管理まで全て完了できるようにする方向で準備を進めていることも明らかにした。
(施設概要は霞ヶ関キャピタル提供)
(藤原秀行)
2024・9・30更新