成田運営会社NAA・田村社長、物流機能強化は「政権変わっても支援を」

成田運営会社NAA・田村社長、物流機能強化は「政権変わっても支援を」

政府の対応継続に期待、関係者と連携し推進図る意向強調

成田国際空港株式会社(NAA)の田村明比古社長は9月27日、東京都内で開催した定例記者会見で、今年7月に岸田文雄首相に対し、国家戦略特区制度を活用し、成田空港を核にして国際物流や産業の機能を充実させることなどを求めた要望書を提出したことに関連して、近く発足する次の石破茂内閣でも継続して取り組むよう期待を示した。

田村社長は「岸田首相からは国家プロジェクトとして取り組みたいというお言葉をいただいた。成田空港の物流機能を強化していくことが、国家にとって非常に重要なことだと思っているので、引き続き、政権が替わっても同じ方向でご支援いただけるとありがたい」と述べた。


会見する田村社長

要望書は千葉県の熊谷俊人知事らと共同で提出。国家戦略特区の指定エリアを現在の成田、千葉の両市から千葉県全域に広げ、規制・制度改革を促進して民間投資を呼び込むことや、国際航空貨物領域の人手不足を受けて外国人材の活用拡大を図ること、産業用地の整備・開発迅速化を進めること、同空港への道路・鉄道でのアクセスを充実・強化することなどを盛り込んでいる。

田村社長はまた、国土交通省が、NAAの検討会が7月に成田空港を東アジアの貨物ハブ空港へ変革していくことなどを打ち出した構想をまとめたのを受け、同空港の機能強化の方向性を議論する検討会の運営を始めた点について「貨物地区の整備(に関する構想)については(国交省の検討会に)参加された委員の皆さんから前向きな反応をいただいた。ぜひ構想の実現に向けて国や関係の皆さんと緊密に連携、協力して前に進めていきたい」と決意を表明した。

国内の一部空港で航空燃料が不足し、国際線の新規就航や増便に支障が出ていることに対しては「懸念していた事態は、成田空港に関してはほぼ解消したと考えている。国の動き、関係の皆さんのご努力に感謝している」と述べ、大手商社と組んだ独自の燃料調達などの取り組みが奏功したと強調した。

(藤原秀行)

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