既存の5種類を1つのプラットフォームに集約、世界各国に販路拡大
ウェザーニューズは10月10日、大型から中小型船まであらゆる船舶の環境性・安全性・経済性に配慮した運航を支援する統合型の航海気象サービス「Sea Navigator(シー・ナビゲーター)」のグローバルでの提供を開始したと発表した。
これまで海運事業者(船主・船舶管理会社・運航船社=オペレーター)に対し、環境規制に対応したルートを推奨する最適運航支援サービス「OSR-e(Optimum Ship Routeing – environment / emission)」、CO2排出量を算出するサービス「CIM(Carbon Intensity Monitoring)」、荒天に遭遇する船舶を自動検知する安全運航支援サービス「SSM(Safety Status Monitoring)」、航海計画に対して座礁の危険性を自動で判定する座礁対策支援サービス「NAR(Navigation Assessment & Routeing)」、船舶性能を評価する「PMS(Performance Monitoring Service)」、環境に配慮した最適運航支援サービス「OSR-e」など、主に5つのサービス提供を通して、累計100万航海をサポートしてきた。
海運事業者がより便利に使えるよう、5つのサービスを1つのプラットフォームに集約した統合型の新サービスに移行することにした。
環境性・安全性・経済性の中から重要視するプランに合わせて必要なサービスだけを選択し、航海前の計画から航海中、終了後までワンストップでモニタリングすることが可能。
地震など緊急時にスマートフォンで情報を確認したいとの要望を踏まえ、モバイル表示に対応。昨年から欧州エリアで先行販売を開始し、好評だったことを受けて、販路を世界各国に拡大していく予定。
将来は年間9万隻が利用する航海気象のプラットフォームになることを目指し、気象・海象、船舶の性能、燃料、オペレーターの経験など様々なデータを集約していくとともに、新たな予測技術やサービスの開発を進めることで「Sea Navigator」を拡張させていく方針。手始めに、2024年内に中小型船舶向けの新サービスの提供を計画している。
Voyage Comparison
最適運航のための航路・船速別の到着時間や燃焼消費量を算出
Emission Dashboard
CO2排出量や燃料実績格付け制度などの環境データを分析
Fleet Status Monitoring
荒天影響船をモニタリングし、本船へのアラート送付状況を確認
Navigation
航海計画と海図情報を用いて、座礁などのリスクを把握
Sea Navigatorのモバイル表示(いずれもプレスリリースより引用)
(藤原秀行)