運営コスト最大3分の1に圧縮見込む、庫内スタッフの最適配置可能と強調
総合人材サービスを提供するキャムコムグループで倉庫運営や物流向け作業請負・派遣などを展開しているロジテックは10月11日、東京都内の物流拠点で、新たに採用したスタートアップのROMS製高層ピース仕分け機「ナノ・ソーター(Nano-Sorter )」をメディアに公開した。
ナノ・ソーター
ナノ・ソーターは5坪のスペースから設置することが可能で、1時間当たり700~800ピースを仕分ける機能を備えている。柔軟に保管容量を変えられるようにすることなどで導入のハードルを下げ、中堅・中小企業も利用しやすくしている。
同倉庫は国内企業から消費財の保管・入出荷を請け負っており、約200万点を保管、1日当たり約4万点を100カ所の送付先に出荷している。
ナノ・ソーターは商品を出荷先ごとに仕分ける工程に採用している。庫内作業スタッフが商品のバーコードをスキャンして投入口に流し込むと高速でいったん格納した上で、出荷する商品の入ったコンテナを自動的に出荷作業スペースまで搬送する。
庫内作業スタッフは当該の商品をピッキングするために庫内を歩き回る必要がなく、作業効率を大幅に改善できているという。
出荷商品の入ったコンテナを自動的に出荷作業スペースまで搬送
ロジテックの川村将臣代表取締役は現地で取材に応じ、省人化で成果を挙げていると明らかにした上で、「ナノ・ソーターは作業を人間の判断を要するものと要さないものに分け、要するところに人材を重点的に配置できるようにすることで、働きやすさに寄与してくれるシステムと判断した」と解説。単純な人減らしではなく現場の人員の最適配置を可能にするとアピールした。
「ロボットは敵ではなく、いいパートナーになるとの気づきがあったので、ROMSさんと良いアライアンスを組むことができた。(自動化により)生産性を高めることで(荷主が)時給を上げられるようになる」と指摘、自動化の効能を提唱した。
倉庫自動化プロジェクトの責任者を務める三浦克伴執行役員はナノ・ソーター利用について、人件費削減とサービス品質向上、出荷期限厳守につながると効果を説明。最大30人程度を投入していた仕分け作業を、ナノ・ソーター採用で極限までスタッフ配置を減らせるため、月当たりの運営コストを最大で3分の1程度まで減らせるとの見方を示した。
取材に応じる川村氏
(藤原秀行)
※2024.10.16修正