【独自】「日本の海事産業、脱炭素など大きな変革の波は乗り越えられる」

【独自】「日本の海事産業、脱炭素など大きな変革の波は乗り越えられる」

船舶設計・運航支援システムのNAPA・クオサCEO、航海効率化などの支援成果に自信

船舶の設計・運航支援システム開発を手掛けるフィンランドのNAPAのミッコ・クオサCEO(最高経営責任者)は10月3日、東京都内で事業内容などに関する記者会見を開いた後、ロジビズ・オンラインの取材に応じた。

クオサCEOは、日本海事協会(NK)が2014年にNAPAを買収してから24年でちょうど10年を迎えることに関し、日本の海事産業を支援する上で非常に良好な協力関係を築くことができたと評価。今後も同協会との連携を継続・強化し、脱炭素などの課題に挑んでいく姿勢を強調した。

また、日本をアジアで最も重要な市場の1つに位置付けていると強調。日本の海事産業は今後、事業継続性の確保を強いられるなど、大きな変革の波が待ち受けていると予想されるものの、NAPAが展開している航海最適化システムなどさまざまなソリューションを提供することで「困難は乗り越えられる」と語り、日本での業容拡大と存在感向上に自信を示した。


クオサCEO。左は日本法人NAPA Japanの水谷直樹社長

「日本市場が良くならない理由が全く見つからない」

クオサCEOは日本海事協会との連携について「非常に良好な協力関係を築いてきたし、シナジーも自然に発揮してきた。NKと日本の海事産業がより安全で効率的、サステナブルになるようお手伝いすることができた。そのことを非常にうれしく思うし、非常に機能してきた」と説明。航海最適化システムの開発と提供などの面で成果を挙げてきたと評価した。

今後の日本市場については「これから非常に大きな変革が海事産業で起こる。われわれとNKが協力する機会がさらに増えると思う。この大きな変革の波に対応できるよう海事産業を支える上で、さらに未来を期待している。日本の海事産業が今後良くはならないと思う理由が全く見つからない」と強調。

「NAPAにとっては、日本はアジアで最も大きな市場の1つ。非常にビジネスの大きな機会があるとみており、NAPAが持つ技術で日本の海事産業を強力にサポートできる」と述べ、航海の効率化による燃費改善と温室効果ガス排出削減、船の合理的な設計、航海の安全確保など多様な側面から新たな技術を迅速に活用し、変革を成功裏に進めていくとの決意を表明した。

さらに、「脱炭素などの変革に、迅速に対応していくことは大きな利益をもたらす。逆に対応が遅れればコストは膨れ、規制もさらに厳しくなっていく。今が行動すべき時であり、NAPAは多くの企業のお役に立てると信じている」と重ねて表明した。

(藤原秀行)

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