オリックスと住友重機械マリンエンジ、風力活用した貨物船省エネ運航の実証実験開始

オリックスと住友重機械マリンエンジ、風力活用した貨物船省エネ運航の実証実験開始

翼の形状した「ソフトセイル」搭載、環境負荷軽減図る

オリックスと住友重機械マリンエンジニアリングは10月17日、オリックスが保有するばら積み貨物船で、風力を活用した省エネ運航の実証実験を始めると発表した。


風力装置搭載時のイメージ図(実際のソフトセイルの設置枚数とは異なる)(提供:住友重機械マリンエンジニアリング)

実証実験はオリックスの船甲板上に、翼の形状をした帆(ソフトセイル)を搭載し、風の力を活用して航海中の船の推進力を得ることを想定している。

用いるソフトセイルはノースセール・ジャパン製で、高さ8m・横幅13.2mの特殊プラスチック製。風向きに合わせて帆の角度を調整できる。風力を補助的に利用することで、主燃料の重油の使用量を抑え、CO2排出量の削減につなげられると見込む。

住友重機械マリンエンジニアリングとノースセール・ジャパンは、ソフトセイルを含む風力推進補助装置の設計と同セイルを搭載した際の運航データの解析を手掛ける。

オリックスはソフトセイルの設置および運航中の燃費データの測定・収集を担当するとともに、実証実験で得られたデータを基に省エネ効果の理論値を算出する。

国連の専門機関、国際海事機関(IMO)は2023年、国際海運からの温室効果ガス排出削減目標を「2050年頃までにゼロ」へ強化するなど、海上輸送の環境負荷低減が課題となっている。

オリックスと住友重機械マリンエンジニアリングは実証実験を通して、既存船の燃費向上を図るとともに、グリーンエネルギーを活用した風力装置活用の知見を深め、実用化に向けた取り組みを進める考え。

(藤原秀行)

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