新井社長「『24年問題』は立地が必ず解決」と自信
アライプロバンスは10月23日、東京都江戸川区東葛西で建設していたマルチテナント型物流施設「アライプロバンス葛西A棟」の竣工式を現地で開催した。
葛西A棟は地上5階建て、延床面積は8万7122㎡。同社の前身の新井鉄工所時代に工場を構えていた土地を活用して建設した。同社が自ら開発している物流施設としては、千葉県浦安市の「アライプロバンス浦安」に続いて2棟目の完成となった。
首都高速湾岸線の葛西IC西行出口、葛西IC東行出口までそれぞれ約4.1km、浦安ICまで約7kmのエリアに位置しており、首都圏の広域をカバーできる立地とみている。
葛西A棟の外観(今年7月撮影)
同社は敷地内で2棟の物流施設を開発する計画を進めており、A棟は1棟目。イオングループのインターネットスーパー「グリーンビーンズ」の配送を手掛けているイオンネクストデリバリーなど複数社が入居することが決まっている。
イオンネクストデリバリーは千葉市にあるマザーセンターから商品を葛西へ配送し、新拠点で積み替えた上で江東区の一部と江戸川区をカバーする計画だ。
葛西A棟は敷地が面している旧江戸川で建設が計画されているスーパー堤防が完成した際、緑道を堤防まで伸ばす予定。災害時の水上からの物資搬送にも使えるようにして、地域住民の防災に協力することを想定している。
敷地の南側には、アライプロバンス浦安の敷地内庭園もデザインした著名な建築家の菅原大輔氏が手掛けたアート庭園「葛西アートの森」を設置。リゾート風の雰囲気を醸し出しながら、枯山水の要素を取り入れ、旧新井鉄工所工場の庭石に使われていたものなどを再利用している。
竣工式で同社の新井太郎社長は「アライプロバンス葛西の最大のポイントはやはり立地だ。昨今叫ばれている『2024年問題』は立地が必ず解決する、立地こそがソリューションだと確信している」と強調、需要の獲得と同問題解決への貢献に強い意欲を見せた。
来賓として来場したイオンネクストデリバリーの野澤知広社長は「ここを選んだのは何といっても立地の良さだ。旧江戸川を挟んで浦安市も近く、ファミリー世帯も多いエリアで非常に魅力的だった。施設のスペックも十分だった」と称賛した。
アライプロバンス・新井社長(上)とイオンネクストデリバリー・野澤社長
(川本真希、藤原秀行)