社会貢献団体FIFと佐川が大型拠点「Xフロンティア」で独自プログラム、トラック乗車も
主要企業のメンバーらが参加している社会貢献団体「フューチャー イノベーション フォーラム(FIF)」は10月19日、SGホールディングス(HD)グループが東京都江東区新砂で運営している大型物流拠点「Xフロンティア」に首都圏在住の小学5・6年生15人を招待し、佐川急便と連携して物流現場を身近に体験してもらうプログラム「物流の最前線」を開催した。
FIFはフューチャーが事務局を務めており、プログラムは2007年にスタート。今年が14回目で、2年ぶりの開催となった。今回はEV(電気自動車)を含む環境負荷の低いトラックに乗車、荷台の機能を観察するなど、持続可能な社会を作るための取り組みについて考えるきっかけを提供することに配慮した。子供たちは物流現場に先進技術が多く取り入れられていることを初めて知り、驚きを隠せないようだった。
参加した小学生はまず、Xフロンティア内の佐川急便中継センターを訪れ、時速10kmのベルトコンベヤーの上を宅配の荷物が流れて自動で方面別に仕分けされていく様子をガラス越しに見学。普段利用している宅配のオペレーションを大規模な自動化設備が支えている実態を学習した。かなりのスピードで段ボールなどに入った荷物が移動していくことに、多くの小学生が目を丸くしていた。
荷物が高速で流れていく様子を見学
さらに、施設全体を700台以上の監視カメラでウォッチし、モニターを通じて各工程の進捗状況などをリアルタイムで監視できるコントロール室を訪問。安全かつ安定した施設運営を実現できる最新の仕組みに触れた。
コントロール室
また、中継センターの1階で、大型家電など不定形の貨物の搬送を担っているプラスオートメーション提供のAMR(自律移動ロボット)が稼働している姿を間近で観察。佐川グローバルロジスティクスがEC事業者の商品保管などを担っている5階で、ノルウェーのオートストア製自動倉庫システムの中をロボットが自由自在に動き回り、出荷するコンテナを自動でピッキングエリアまで送り出すところも訪れた。
大きな商品などを搬送するAMR
加えて、専用の商品棚を持ち上げてピッキングエリアまで運ぶギークプラスのピッキング支援ロボット「EVE」や、ピッキングした商品を納めたコンテナを施設内で自動搬送するロボット「OTTO」(オットー)が活躍する姿にも驚き、ロボットの後を付いていくなど興味津々の様子だった。
棚搬送ロボットに目が釘付け
自動搬送ロボットの後を追跡
また、傷を付けないよう繊細な取り扱いが求められる美術品の保管・作業スペースでは、破れにくい梱包用資材などを実際に触れていた。
スタッフによる美術品の梱包実現を注視
EVや冷凍・冷蔵用車両、美術品専用車など、現場で活躍する多彩な車の運転席に乗ったり、荷台に上ったりして、物流の大動脈を担うトラックの重要性を肌で感じていた。最後に施設内の車路でドローンが飛行するところを見学、物流でもドローンが近い将来活躍する可能性があることを担当者から説明されていた。
トラックにいっぱい触れられて満足そう
参加した5年生の女子は「とても面白そうと思ってプログラムに応募した。ロボットがたくさん動いているのがかっこよかった」と感激した様子で語った。同じく5年生の男子は「宅配の現場を見られて勉強になった」とうれしそうに話した。
全員で記念撮影
(藤原秀行)