本格実装へ課題見極め
鈴与とアルピコホールディングス、日本空港コンサルタンツ、建設技術研究所、AirXの5社は11月19日、長野県白馬村で10月11~12日に開かれた「信州次世代空モビリティ体験フェスティバルin白馬(2024空フェスin白馬)」で、長野県内や山岳高原で初となる「空飛ぶクルマ」の実証飛行に成功したと発表した。
投入したのはAirXが保有している、中国のベンチャーEHang Holdings(イーハンホールディングス)製eVTOL(電動垂直離着陸機)「EH216-S」。
長野県では山岳を抱える特性を踏まえ、移動や物流などの制約・課題が存在する信州で産学官などの関係主体が相互に連携・協力し、ドローンや空飛ぶクルマといった「次世代空モビリティ」を社会実装させ、「空の産業革命」「空の移動革命」を早期実現することを目的に、「信州次世代空モビリティ活用推進協議会」が活動を展開している。
2023年度末にはドローンや空飛ぶクルマの社会実装に向けたビジョン・アクションプランを作成・公表した。
従来の海や河川周辺の飛行に加え、内陸部での空飛ぶクルマの本格実装に向けた一歩になると期待している。
今回の実証飛行は標高の高い山岳エリアで空飛ぶクルマを運航させる際の技術的課題を検証したほか、白馬村内で空飛ぶクルマの離着陸場の適地を探すとともに、山岳リゾートにおける空飛ぶクルマの活用方法を検討するシナリオの検討も狙いとしている。
各社の役割
アルピコホールディングス株式会社 | プロジェクトの全体統括、飛行実証補助 |
株式会社日本空港コンサルタンツ | 離着陸場選定、空域確認、飛行実証補助 |
株式会社建設技術研究所 | プロジェクトの企画・運営・全体統括補助、実証飛行イベントの統括、空飛ぶクルマの騒音計測、飛行実証補助 |
株式会社AirX | 空飛ぶクルマの機材提供・運航および安全のオペレーション鈴与株式会社 |
(藤原秀行)※いずれも5社提供