船体の安全性向上に効果
スウェーデンに本社を置き、ケーブルやパイプなどを通す箇所「貫通部」に防火や水密の性能を持たせるシーリング(密封)処理大手Roxtec(ロクステック)は11月21日、主力製品のケーブル・パイプ貫通部管理ソフトウェア「Roxtec Transit Operate」が、ClassNK(一般財団法人日本海事協会)の革新的な取り組みを評価する「Innovation Endorsement(イノベーション・エンドースメント)認証」を取得したと発表した。
認証書は同製品が船舶向けにも使われており、「過酷な海洋環境における電線・パイプ貫通部シールの取り付けとメンテナンスをサポートし、船舶の安全性を高める」「労働時間の節約とコストの削減をサポートする」と記載。ロクステックはこのソフトウエアを使ったソリューションが船体保全の安全性向上と造船・メンテナンスの労働時間削減につながっていると認証を受けたと説明している。
Roxtec Transit Operateは国際船級協会連合(IACS)の水密電線貫通部に関する最新要件へ準拠することを保証している。同規則は、船主およびオペレーターが電線貫通部シールシステムの登録を維持することを義務付けている。
Roxtec Transit Operateはロクステックが抱えているシーリングの専門家が開発を担当。各貫通部の施工に関する全ての関連情報へ簡単にアクセスし、施工やメンテナンスの作業記録を最新の状態に保つことが可能。貫通部の状況に関する情報を関係者へ即座に提供、船体保全などの業務を効率的に進められるようになると想定している。
請負業者や船級協会の検査官と文書を共有し、資産のライフサイクル全体を通じて、変更やアップグレード後の状況を検証できるようにしている。Roxtec Transit Operateを駆使することで、異なる国の間でも円滑に関係者が協力し合えるようになり、船舶の高い安全性を維持するのに役立つとみている。
ロクステックは1990年にスウェーデンで創業して以来、日本を含む約30カ国に子会社を設立し、80以上の市場で事業を展開している。各地域で電線・パイプ貫通部シールのサポートと技術ノウハウを提供。日本は2007年に現地法人を立ち上げ、多くの日本の造船所がRoxtecのシーリングソリューションを活用している。
(藤原秀行)※いずれもロクステック提供