農産品を最大7日間新鮮な状態に、コスト削減見込む
コールドチェーン向けの機器開発を手掛けるアイ・ティ・イー(ITE)は11月22日、丸紅と共同で、ITE独自の高性能保冷剤「IceBattery(アイスバッテリー)」の技術を使ったIceBattery20FTハイブリッドコンテナの鉄道輸送試験を実施、成功したと発表した。実験に際し、全日本食品(全日食チェーン)の協力を得た。
ITEは積載品の品質を維持しながら輸送中に電力/ディーゼルを一切使用しない省エネ輸送を実用化すれば、コスト削減を実現できると強調している。
(ITE提供)
試験は千葉県流山市から北海道恵庭市までの区間で実施。輸送中、一切のディーゼル発電機や電源を使用しない低温物流を達成した。
同コンテナは青函トンネル内でも庫内を冷却し続けることが可能で、最適な条件を維持し、農産品を最大7日間、新鮮な状態に保ったという。
輸送を開始する前の予冷時間以外、輸送中に燃料や電力を使用し冷却する必要がないため、予冷と輸送に要した合計120時間における冷却関連のCO2排出量は約0.02t-CO2に抑制。通常のリーファーコンテナに比べCO2排出量を大幅に減らせたと説明している。
IceBattery20FTハイブリッドコンテナは、輸送中に電源を使用せずに最大108時間、2〜8°Cの温度と90%の湿度を維持し、乳製品や豆腐、野菜を含む12種類以上の冷蔵品の品質を損なうことなく輸送できたという。
輸送に遅延が生じた場合でも、108時間など一定期間内であれば、コンテナ内の温度と湿度を安全なレベルに維持、農産品の鮮度を損なわないことを確認したとアピールしている。
(藤原秀行)