新東名・浜松SA、設定場所への停車精度確認
国土交通省などは12月4日、新東名高速道路の浜松SA(静岡県浜松市)で、トラックの自動運転実現に向けた実証実験の様子をメディアに公開した。
実験は自動運転技術を確立してトラックドライバー不足に対応し、物流ネットワークを維持することを目標に掲げ、11月以降、国交省や中日本高速道路(NEXCO中日本)などが新東名の駿河湾沼津SA~浜松SA間を使って順次実施している。この日は、浜松SAを 自動運転トラックの有人と無人の走行を切り替えるための中継エリアとして活用し、自動運転技術を搭載した複数のトラックが浜松SA駐車場内の決められた場所に順次、自動で駐車した後、再び自動で発進した。
自動運転トラックの運転席にはドライバーが乗り込み、高速道路の本線はドライバーが運転したが、SAに入ってからは自動運転に切り替えた。実験に参加した関係者は自動運転トラックが設定した駐車枠にどれだけ正確に停車できたか精度を確認していた。
国交省などは今後、道路脇に設置したセンサーやカメラを使って他の車の位置や車線規制などの情報を把握し、自動運転トラックが安全かつスムーズに本線へ合流したり車線変更したりする実験などを展開。2024年度末には約100kmに及ぶ自動運転優先レーンを整備し、高速道上の自動運転を本格化させる予定。
自動運転トラック。指定場所から外れずに自動で停車した
実験には三井物産や三菱地所、JR貨物などが出資し、自動運転トラックを活用した幹線輸送サービスを2025年7月に始めることを目指しているT2と、自動運転トラックの社会実装を目標としている豊田通商や主要トラックメーカーなどが参加しているプロジェクト「RoAD to the L4」がそれぞれ参加、自動運転トラックを走らせている。
実験では計5台のトラックが、それぞれ本線から浜松SAに入った後、駐車場の停止位置まで約530mを時速10km程度のスピードで自動走行。白線で囲っている駐車場所からはみ出さずに停車した。再び動きだした後も同じく、約100mを自動走行した。
現地で取材に応じた国交省道路交通管理課の北城崇史課長補佐は「今回お見せした自動発着以外にも、(本線への)合流支援や(車線規制などの)先読み情報の提供といったインフラからの支援の検証を進め、その有効性や円滑性に資するような中身を検討していきたい」と語った。
(この動画は、前半はRoAD to the L4 テーマ3コンソーシアム、後半はT2がそれぞれ提供)
(藤原秀行)