三菱ガス化学「メタノールの供給・物流体制に支障なし」

三菱ガス化学「メタノールの供給・物流体制に支障なし」

ホルムズ海峡でグループ企業のタンカー被災も影響軽微

※写真は日本船舶海洋工学会資料より引用、ケミカルタンカーのイメージであり事件とは関係ありません

三菱ガス化学(MGC)は6月14日、同社グループの海運会社「国華産業」(東京・千代田区)が運航するケミカルタンカーが中東のホルムズ海峡付近で何者かによる攻撃を受けたことについて、「当社のメタノール供給・物流体制に特段の支障は生じていない」との見解を発表した。また製品の流出はなく安全に保管されていることも明らかにした。

事件は現地時間の13日正午ごろに発生。国華産業のケミカルタンカー「KOKUKA COURAGEOUS」はサウジアラビア、カタールで生産されたメタノール約2万5000トンを東南アジアへ輸送中に攻撃を受け炎上した。

MGCは今後の見通しに関して「当社はグローバルなメタノール供給体制を構築しており、日本向けを含め供給に特段の問題はない」とした上で、引き続き安全な物流の維持・確保について関係当局などと協議を行っていく方針。仕向け先である東南アジアの顧客とは個別に話し合いを進めている。なお事件による業績影響は軽微とした。

MGCはサウジでメタノール合弁事業「AR-RAZI」(アル・ラジ)を展開するほか、東南アジア諸国でメタノール原料の化学製品を製造・販売している。国華産業には50%出資しており、事件発生から早い段階で積み荷はMGCがサウジで生産した製品とみられていた。メタノールはホルマリンや接着剤の中間原料、アルコール燃料などに使用される石油化学製品の一つ。

(鳥羽俊一)

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