国交省が審議会であらためて認識表明
国土交通省は6月18日、東京・霞が関の同省内で、社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会(部会長・石田東生筑波大名誉教授・特命教授)を開催した。
事務局の同省担当者は審議事項として、将来の自動運転に対応した道路の在り方や、バスターミナルを核に街の活性化を図る計画「バスタプロジェクト」、中山間地域での住民向け自動運転輸送サービスなどを提示、委員から意見を聴取した。
部会の会合
このうち高速道でのトラック自動運転による隊列走行に関しては、事務局が2018年度に新東名道で実験した結果を踏まえ、隊列を組んで走っているトラックの横から大型バスが合流しようとしたが果たせず停車してしまったケースがあったことや、SAやPA内で車道を横断する歩行者と接近したために隊列を組んだトラックのドライバーがブレーキを踏んで操作を強いられたことなどを紹介。
今後対応を検討していく上での方向性として、通行レーンやPA・SAの駐車スペースなど隊列走行の専用空間構築を考えることが重要との認識をあらためて提示した。併せて、トラックが隊列を連結・分離するスペースをいかに確保していくかについても検討が必要との見解を明らかにした。
中山間地域での自動運転輸送をめぐっても、高速道の隊列走行と同様、特定の車のみ道路に設けたポールを下げて通行を可能とする「ライジングボラード」を設置して専用空間を確保することなどを例示した。
部会の冒頭、国交省の池田豊人道路局長はあいさつし、「人手不足や高齢者の方の事故頻発もあって、いよいよ実現のニーズが極めて高くなっている自動運転について、道路空間の在り方についても違うものが求められてきているのではないか」との見解を表明、政策立案への協力を要請した。
あいさつする池田局長
(藤原秀行)