川崎汽船、立教大と船上CO2回収システムの研究プロジェクト開始

川崎汽船、立教大と船上CO2回収システムの研究プロジェクト開始

多孔質材料「MOF」の分子技術活用、社会実装目指す

川崎汽船は2月20日、学校法人立教学院と‟未来海洋環境調和型材料の社会実装”をテーマとした寄附型研究プロジェクト事業の契約を締結したと発表した。

プロジェクトは産学連携に伴う協働効果の獲得を目指し、立教大学内に川崎汽船の「先進技術未来環境プロジェクト研究室」を設置、同大理学部化学科の箕浦真生教授が率いる研究グループと組み、多孔質材料の一種「MOF」の分子技術を活用した船上CO2回収システムの構築検討を進める予定。

 
 

MOFはマイクロ孔と呼ばれる非常に小さな細孔を持ち、MOFを構成する有機配位子と金属イオンの組み合わせ次第で任意の気体を吸着・分離させることが可能。様々な気体の吸着・貯蔵材料としての応用が期待されている。

同社は船舶から出るCO2を船上で分離、回収、貯蔵、最終的には陸揚げする「OCCS」の実用化を検討している。2021年には当時、世界初の船上CO2回収装置の実証実験“CC-OCEAN”プロジェクトで、排ガスからのCO2の分離・回収に成功した。

今回のプロジェクトでは、自社のOCCS分野における技術領域の拡大に向け、船舶の排ガス中のCO2を対象としたMOFの吸脱着性能評価を実施、MOFの船上CO2回収システムとしての適用実現性を明らかにし、今後の技術開発と実装を目指した検討に着手したい考えだ。


(プレスリリースより引用 出典:立教大学ウェブサイト)

(藤原秀行)

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