日本郵便が全国10万世帯で「置き配」体験モニターを実施

日本郵便が全国10万世帯で「置き配」体験モニターを実施

日本郵政・長門社長「盗難などトラブルは1件も起きていない」

日本郵便は6月24日、宅配便の再配達削減に向けて全国10万世帯を対象に無料の宅配ボックスを配布する「置き配体験モニターキャンペーン」を行うと発表した。

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物流業界向けにシステムやアプリケーション開発を手掛けるベンチャー企業のYper(イーパー、東京・渋谷区)が独自に開発した専用ボックス「OKIPPA(オキッパ)」を使用。利用者が玄関先などあらかじめ指定する場所に非対面で配達する「置き配」の利便性、日本郵便が展開する「ゆうパック」が受け取りやすいサービスであることを広く認識してもらうことが目的。モニターの受付期間は同日から8月26日まで。


「OKIPPA」の設置例(日本郵便キャンペーンサイトより)

宅配便の再配達削減はCO2の排出量抑制、労働力不足への対応などの観点から喫緊の課題となっている。これまで日本郵便は無料通信アプリやメールによる配達予定通知、宅配ロッカー「はこぽす」の設置、コンビニエンスストアでの受け取りを拡充することで再配達の削減に取り組んできた。今回は時間を気にせず自宅で荷物を受け取りたい顧客のニーズに応えるとともに、再配達に起因する社会的課題の解決に向けて置き配の普及・拡大にもつなげていきたい考え。

オキッパは玄関のドアノブに吊るして取り付けるワイヤーの専用ロック、内鍵のダイヤル式南京錠を組み合わせた高いセキュリティー機能を持つ袋状のボックス。“自宅で配達を待つ時間がもったいない”“今日中に荷物を受け取りたい”“時間指定をしたいが外出する用事がある”といった要望を踏まえ、配達側がオキッパの中に荷物を届けることで受け取り側の時間的制約を解消して再配達を減らす試みだ。


ドアノブ等に付属のワイヤーと鍵で「OKIPPA」を固定(日本郵便キャンペーンサイトより)

両社は昨年12月の1カ月間に東京・杉並区の1000世帯を対象に実証実験を行い、この時は再配達を約61%削減することができた。日本郵政の長門正貢社長は同日開いた定例記者会見で「置き配でネックとされる荷物の盗難・いたずらといったトラブルは、昨年の実証実験はもとよりこれまで販売した1万数千セットにおいて1件も発生していない。(キャンペーンで)置き配の便利さを多くの方にご体験いただき再配達が大幅に削減できることを期待したい」と言及。置き配の安全性・社会性の高さを強調した。


会見する長門正貢社長

(鳥羽俊一)

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