現地の企業や政府系研究開発機関と提携、最大10機のプレオーダー受注も
「空飛ぶクルマ」の開発やドローン関連サービスの運営を手掛けるSkyDriveは5月8日、台湾で大型ドローンシステムを展開している新楽飛無人機(7A Drones)、台湾政府の研究開発機関、工業技術研究院(ITRI)の両者と台湾で空飛ぶクルマの事業化に向けた検討を行うため、業務提携契約を締結したと発表した。
SkyDriveの空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」を活用し、台湾・澎湖諸島で医師派遣を中心とした医療輸送インフラを整備するため、患者や医師の緊急医療輸送を対象としたユースケースの共同開発を目指す。最初の航路として、澎湖諸島の馬公市の島嶼間にルートを設定することを検討している。
SkyDriveは併せて、7A Dronesから最大10機のプレオーダー(一般発売に先駆けた購入申し込み)を受注した。
SkyDriveは昨年3月、7A Drones、ITRIとそれぞれ業務提携を締結し、日本・台湾の双方で事業開発や市場拡大を目指し、協業してきた。今回、医療輸送インフラを実現するため、新たに業務提携に踏み切った。
澎湖諸島は、大小合わせて90の島々から成り、19の島に人が住んでいる。医療体制が整っていない二次離島からの救急医療が課題となっており、まず馬公市で市内の病院と虎井嶼間の運航を、初めてのユースケースとして進める。
(SkyDrive提供)
3者は台湾政府が掲げる「AAM(先進航空モビリティ)」政策における初期モデルとして、2028年以降のサービス開始を目指す。SkyDriveは澎湖諸島でモデルを構築することを足がかりに、台湾の他エリアでの都市型航路構想や、観光・医療への展開を検討する。
(藤原秀行)