関東~関西間の高速道活用
大和物流と自動運転トラックの開発を手掛けるT2の両社は6月18日、自動運転トラックを活用して住宅用建材や設備などを幹線輸送する実証実験を7月2日、関東~関西間の高速道路の一部区間で開始すると発表した。今年10月まで計4回行うことを想定している。
大和物流「海老名物流センター」とT2のトラック
大和物流はT2に出資するなど、既に協力関係にある。自動運転トラックを生かした幹線輸送の早期実現に向け、新たに大和物流が大和ハウス工業に提供している調達物流の幹線輸送で、実証実験に踏み切る。
住宅建材は重量物・長尺物・繊細な内装材など重量やサイズが多様で、輸送中の振動や衝撃により破損や変形が生じるリスクを抱えている。さらに、輸送時の影響による品質不良は施工不良や安全性の低下を招くだけでなく、現場での再手配や再施工が必要となり、工期の遅延やコスト増加を引き起こしかねないため、より慎重な輸送が求められる。
実証実験では、自動運転トラックを使った輸送で荷姿や重量が不均一な建材を積み合わせて輸送しても製品の品質に支障が出ないかどうかチェックするほか、貨物を積載した状態での幹線輸送における自動運転の走行ルートやリードタイムも確認する予定。
調達物流の流れと実証実験の役割分担
実証概要
時期 | 2025年7月2日から2025年10月末日まで(全4回を予定) |
場所 | 関西から関東にかけての高速道路上の一部区間 <行程>大和ハウス工業「奈良工場」(奈良県) → 大和物流「海老名物流センター」(神奈川県) |
役割 | 大和物流:積載貨物の提供、輸送オペレーションの設計および提供 T2:実証実験全体マネジメント、実験用自動運転車両の提供 |
トラック | T2が開発したレベル2(ドライバーが同乗し、有事の際はすぐに運転を代わる)自動運転トラック(ドライバーが乗車し、レベル2相当で実施) |
積載 | 大和ハウス工業向けの住宅建材および住宅設備 |
検証内容 |
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実証で輸送する建材の一例
両社は今回の実証結果を踏まえて、T2が2027年の開始を目指しているレベル4(特定の条件下での完全自動運転)の自動運転トラックの実現に向け、まずはレベル2自動運転トラックによる定期運行を実装したい考えだ。対象となる輸送品目についても、大和物流が取り扱う建材以外の貨物へ順次拡大していくことを念頭に置いている。
(藤原秀行)※いずれも両社提供