即日出荷体制と1200万点超扱うロングテールビジネスに対応した物流戦略支援
ギークプラスは6月25日、アズワンが今年6月に開設した、理化学機器の販売・出荷を支える九州エリア初の物流基幹センター「九州DC」（福岡県朝倉市）で、AGV（無人搬送ロボット）が商品を格納した棚を作業スタッフのところまで搬送する「Goods-to-Person」（GTP）形式の自動化ソリューション「PopPick」（ポップピック）を採用、本格稼働を始めたと発表した。
ピッキングの効率は3倍以上、倉庫全体の作業効率は37%向上すると想定。即日出荷体制と、1200万点を超える商品によるロングテールビジネスにおけるアズワンの物流戦略強化をサポートする。
アズワン「九州DC」稼働現場
アズワンは取扱商品数の拡大には物流の自動化が不可欠と判断。20年ほど前から自動倉庫の導入をはじめ物流DXに注力している。2015年にはECサイト「AXELショップ」を開設、事業を拡大している。
開設か3年で商品点数は約10倍以上となり、多品種・小ロット対応が求められるロングテールビジネスが加速している。今後、専門性を兼ね備えた商品の拡充を進めるに際し、これまで以上に倉庫内ロケーションの効率的な活用と、作業効率の向上が必要となるため、自動化機器の導入に踏み切った。
「PopPick」は防火シャッター直下を通過できる最大3.8mの高さの棚を使用することが可能。コンテナ同士も2cm間隔で配置し、手作業のマニュアルオペレーションよりも大量の商品を高密度に保管できる。一般的な中軽量棚と比較すると棚保管効率を約2倍向上させられるという。
一般的な棚搬送型GTPソリューションでは、1ステーション当たりの作業効率は手作業のマニュアルオペレーションと比べて約3〜5倍になるところ、PopPickは対象コンテナを棚から自動で引き出し、作業員の手元まで搬送することで、さらに作業生産性の改善が期待できるとみている。
アズワンは9月までに、1時間当たりのピッキング・出荷作業を人手の約40行から130行程度まで高めることを目指す。
併せて、東北地区をはじめとする新拠点開発や、既存メーンセンター「Smart DC」（千葉県）、「阪神DC」（兵庫県）の機能向上にもつなげ、「物流2024年問題」解消や全体最適な物流体制の構築を進めていくことを視野に例ている。
（藤原秀行）※いずれもギークプラス提供
