輸送力向上図る、地元自治体とも連携
三菱地所系の東京流通センター(TRC)、日本自動車ターミナル(JMT)、自動運転トラック開発を手掛けるT2の3社は6月25日、「レベル4」自動運転(特定の条件下で完全な自動運転)トラックによる幹線輸送の実現に向け、TRCやJMTの拠点も位置している東京都大田区平和島の一部一般道区間における自動走行を前提とした走行ルートの設定や自動運転トラックの受け入れ方法を検討することで合意したと発表した。
実現すれば、自動運転トラックが高速道路だけでなく、技術的ハードルが高い一般道も経由して顧客の物流施設へ円滑にに直接乗り入れる先進的な拠点を平和島に設けることが可能になるとみている。
今後は大田区などの地元自治体とも連携し、取り組みを進める。
TRCおよびJMTが立地する平和島は、高度成長期の人口増加にともなう流通機能低下との社会課題解決のため、流通業務市街地整備法に基づいて整備した「南部流通業務団地」が存在し、都心へのアクセスが良好で東京港や羽田空港にも近く、トラックターミナルなどの物流機能が集積している。
3社は平和島の一般道を自動走行することで自動運転トラックの対応力向上に資することにつながると想定。大田区などの地元自治体とも「物流2024年問題」などに対する課題感を共有し、自動運転トラックの一般道走行に関する情報連携などを進めることで、スムーズな社会実装を目指す。
今後は一般道の自動走行を実現するに際し、T2が走行ルートの検討および自動運転トラックの技術開発を手掛け、3社で拠点の在り方や「南部流通業務団地」までの一般道の自動走行、路車協調システムの設置などを検討する。
将来は平和島が関東圏で自動運転トラックの直接乗り入れを可能にする拠点の機能を担うことを視野に入れている。
平和島の東京流通センター拠点
平和島の京浜トラックターミナル(日本自動車ターミナル)
(藤原秀行)※いずれも3社提供