新社長に常務執行役員の池田氏昇格
イー・ロジットが6月27日に開催した定時株主総会で、会社側が提案していた議案のうち、児玉和宏代表取締役会長(58)の再任と竹内正弘社長執行役員(51)の取締役起用をいずれも賛成少数で否決した。
大和工商リース(現大和リース)出身で現在はファンド組成による上場会社への出資などを手掛けるトラストアップ代表取締役の鈴江正幸氏(53)の社外取締役起用も同じく賛成少数で否決した。鈴江氏は総会直前に社外取締役候補となることを辞退すると会社側に申し出ていた。
他の取締役候補3人はいずれも賛成多数で可決した。
一方、イー・ロジット創業者で取締役の角井亮一氏(56)ら4人を取締役として選ぶよう、角井氏自身が求めた株主提案は賛成多数で4人とも可決した。
イー・ロジットは4人のうち、総会前はイー・ロジットの常務執行役員だった伊藤忠商事など出身の池田忠文氏(55)を新たな社長に選出した。池田氏は同日付で社長に就任した。角井氏は同日付で取締役会長に就いた。
角井氏は今年2月、それまでの会長から、代表権を返上して取締役となる人事を発表。後任の代表権を持つ会長は、アパレルの物流を手掛けるジーエフホールディングス(HD)の児玉会長兼社長が兼務していた。
角井氏は総会前、児玉氏らについて「現経営陣は所属・関与する組織が当社株主であり、特定株主の意向を受けた既存株式価値を棄損する恐れのある資金調達方法に拘泥しており、当社の資金調達に関する柔軟な意思決定を阻害している」などと批判。経営をめぐる対立が表面化していた。
イー・ロジットによると、定時株主総会で児玉氏の再任と竹内氏の取締役起用はいずれも賛成が議決権ベースで2割台にとどまった。
池田 忠史氏(いけだ・ただふみ)1992年慶応義塾大学商学部卒業、伊藤忠商事入社。日本総合研究所、スタートトゥディ(現ZOZO)などを経て2024年イー・ロジット入社、同年10月より現職。東京都出身。
(藤原秀行)