私有の20ftタイプ導入、輸送量拡大を実現
コマツとコマツ物流、日本通運、JR貨物の4社は7月18日、コマツの粟津工場(石川県小松市)からタイヤ式大型建設・鉱山機械を生産する茨城工場(茨城県ひたちなか市)への建設機械・鉱山機械用部品の輸送に完治、今年3月にコマツが運用する20ft私有コンテナ(長さ約6m)を活用した鉄道輸送を開始したと発表した。
環境負荷の低減と安定的な輸送力の確保が狙い。
コマツのロゴ入り私有コンテナ
コマツは2018年5月、エンジン・油圧機器を生産する小山工場(栃木県小山市)と中小型建設機械を生産する粟津工場間の輸送で、鉄道を用いたモーダルシフトを開始、現在も常時利用している。
さらに、油圧シリンダーを生産する郡山工場(福島県郡山市)と中大型建設機械を生産する大阪工場(大阪府枚方市)の間でも、鉄道を用いたモーダルシフトを実現した。一方、粟津工場で生産しているトランスミッションの一部については、鉄道輸送における既存のコンテナの積載重量制限(最大5t)やサイズなどによる制約から、鉄道輸送と長距離トラック輸送を併用していた。
その課題解決に向け、コマツは他の3社と組んで対応策の検討を進めてきた。24年度には4社で「小松製作所粟津・関東工場間モーダルシフト協議会」を立ち上げ、国土交通省の「物流効率化法」に基づく事業認定を受け、令和6年度「モーダルシフト加速化緊急対策事業」に採択された。
コマツは1つのコンテナで最大10tまで積載可能な20ftの私有コンテナ6基を新造し、鉄道輸送量の拡大につなげた。
具体的には、粟津工場~茨城工場の約600kmの輸送区間で20ftコンテナを使用したモーダルシフトを採用。コマツが保有する専用コンテナは、建設機械・鉱山機械用部品の特性に合わせて設計しており、積載効率の向上と輸送の安定化を達成している。トラックドライバー不足の改善に寄与するとともに、年間約160tのCO2排出量削減を見込んでいる。
粟津工場で私有コンテナへトランスミッションを積載
(藤原秀行)※いずれも4社提供