商船三井と三井物産、英国の洋上風力発電基地港湾事業などを買収

商船三井と三井物産、英国の洋上風力発電基地港湾事業などを買収

需要増に期待

商船三井と三井物産の両社は7月31日、英国のジーイージーホールディングス(GEG)が保有している英国ニグ港の基地港湾事業と洋上風力・石油・ガスを中心とするエネルギー産業向け鋼材加工・機器製造事業を買収すると発表した。

GEGは石油ガス業界向け海底機器の製造加工や洋上風力向け資機材の搬出入・仮置き・保管サービスの提供が可能なヤード・岸壁の保有・運営を手掛けている。その一環で基地港湾はエネルギー設備の保守などを担う。



買収対象事業は三井物産が51%、商船三井が49%を出資する英国のグローバルエナジーサービスホールディング(GESH)が運営。今夏の買収手続き完了を見込む。


ニグ港

GEGは2012年4月、三井物産から25.5%の出資を受け入れている。英国ではエネルギー自給率向上と2050年の温室効果ガス排出ネットゼロの達成を目指し、石油・ガスの安定供給と洋上風力を主とする再生可能エネルギーの導入加速に取り組んでいる。

特に洋上風力は、ニグ港が近接するスコットランド北海地域に世界最大の開発エリアが存在している。今後は着床式に加え、浮体式洋上風力のハブ港として重要性が高まると想定。両社はニグ港を欧州の洋上風力発電や海洋開発における最重要拠点と位置付けている。

買収で商船三井の船舶・港湾事業アセットと、三井物産の総合商社としての幅広い産業ネットワークを組み合わせ、基地港湾事業、鋼材加工・製造事業と関連したサプライチェーンの強化を目指す。

(藤原秀行)※いずれも両社提供

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