神戸市に新拠点も開設、販売量増加に対応
カジュアル衣料大手のアダストリアは8月1日、茨城県常総市の物流拠点「常総物流センター」で大規模な自動化設備の稼働を今年6月に始めたと発表した。物流子会社のアダストリア・ロジスティクスとも連携。店舗の販売が増えているのに対応し、入出荷や保管業務を効率化して将来の成長を後押しできるようにする。
アダストリアは併せて、神戸市に西日本エリアをカバーする新たな物流拠点「西宮北物流センター」を同日開設したことも公表した。関西では2拠点目で、倉庫面積は約5800坪(約1万8800㎡)。センターポイント・ディベロップメントなどが開発した物流施設「CPD西宮北 EAST」に入居している。西日本向け商品の輸配送迅速とBCP強化を目指す。
「常総物流センター」はグッドマンジャパンが開発した「グッドマン常総」内の約1万坪(約2万5000㎡)を賃借しており、日々約800店舗向けの商品出荷を担っている。
今回自動化したのは、約半分に相当する約5000坪のエリア。商品の保管とピッキングを効率化するため、オークラ輸送機と連携し、中国のHIK ROBOT製CTU(コンテナ移載ロボット)50台と、商品を収めたケースの下に潜り込んでピッキングエリアまで自動で運ぶLMR(潜入式搬送ロボット)を50台導入した。
CTUが取り出すケースを大量に保管
LMRがケースを運ぶ
さらに、プラスオートメーションが展開している中国Libiao製の仕分けロボット「t-Sort」を120台採用。800店舗向けの仕分け作業を自動化している。それぞれの設備を組み合わせることで、作業スタッフは広い庫内を歩き回らなくても済むようにしている。加えて、オークラ輸送機と組み、段ボールの製函・封緘も自動化している。
店舗向け仕分けを担うt-Sort。作業スタッフが商品を投入すれば自動的に仕分ける
段ボールの製函・封緘も自動化
アダストリアは今回の自動化で、1時間当たりの作業生産性(出荷できる商品数)を入荷は従来比で4割、出荷は6割高められると試算。作業の最大能力も入荷は6割、出荷は4割向上できると見込んでいる。
アダストリアは2022年9月、EC商品を取り扱っている茨城県茨城町の「茨城西物流センター」で初めて物流拠点のオペレーション自動化に本格着手。AGV(無人搬送ロボット)などを採用している。今回は店舗向け拠点で初めての自動化となった。今後も物流拠点の増強・集約を図るとともに、自動化を広げていきたい考えだ。
(藤原秀行)※いずれもアダストリア提供