公取委、委託先に不当な返品した岩機ダイカスト工業に下請法違反で勧告

公取委、委託先に不当な返品した岩機ダイカスト工業に下請法違反で勧告

抜き取り検査でいったん合格も瑕疵理由に引き取らせる、16社で815万円相当

公正取引委員会は8月7日、アルミ鋳造品を手掛ける岩機ダイカスト工業(宮城県山元町)に対し、製造委託先から受け取った製品について、瑕疵があった場合の引き取り条件で明確に合意していないにもかかわらず引き取らせていたことなどが、下請法で定めている「返品の禁止」に該当するとして、再発防止を勧告した。

公取委によると、同社は委託先から製品を受け取った後、ロット単位で抜き取って品質検査を実施していたが、当該製品に瑕疵があった場合の引き取り条件について委託先と合意していなかった。

2023年4月から今年1月までの間、いったんは抜き取り検査で合格とした製品に、目視や簡易な検査で発見できる瑕疵が見つかったのを理由に、当該製品を引き取らせていた。さらに、同社が当該製品を受け取ってから返品するまでの諸費用を委託先に負担させていた。

返品した製品の委託代金や支払わせた費用は16社で合計約815万円に上った。公取委は同社にこの金額を支払うよう指示している。

(藤原秀行)

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