セイノーラストワンマイル、小規模荷物配送やフリーペーパー配送などに注力

セイノーラストワンマイル、小規模荷物配送やフリーペーパー配送などに注力

統計に出ない「もう一つの市場」対応拡充

セイノーホールディングス(HD)グループでラストワンマイル関連事業を手掛けるセイノーラストワンマイルは9月19日、事業の展開状況を公表した。

この中で、国土交通省が毎年発表する宅配便取扱個数やメール便取扱冊数の対象外となる配送や配布が多く存在すると指摘。国交省の統計に記載されない分が、セイノーラストワンマイルグループだけでメール便は2億7259万冊分あると説明している。



同社はこうした分野を「統計を補完するもう一つのラストワンマイル市場」と捉え、各領域に応じた事業を展開していると解説。

同社グループのココネットが手掛けるネットスーパー宅配は店舗との連携からラストワンマイルの運営(配送現場や配達自体に付随する運営)まで包括的に対応しているという。

また、同じくグループのLOCCO(ロッコ)が実施している「置き配」は、建物ごとの置き場所情報やルールをデータベース化し、現場スタッフが安心して置き配を実施できる仕組みを整備していることなどに言及している。

小規模の荷物配送は、やはりグループの地区宅便、日祐がメール便配送を基盤とした「コニポス」を提供しており、これまで培ってきた細やかな投函・仕分け・誤配防止のノウハウを活用している。加えて、新しい小荷物配送を地域全体で持続可能な仕組みにするため、地域配送会社とともに「PostLink Alliance(ポストリンクアライアンス)」を始動させている。

PostLink Allianceは、地域に根差した配送事業者とセイノーラストワンマイルが協力し、複数の荷主の荷物を共通の配送ネットワークで運ぶことで、地域全体で効率性と品質を両立させることを狙いとしている。

今年9月には北関東、東北エリアへとネットワークを拡大。その後は東海・中国・四国・九州エリアに広げていくことを予定している。



フリーペーパーやちらしの配布は、同じくグループのリビングプロシードが実施。全国8000人以上の「エリアパートナー」と称する地域に根付いたスタッフが現場実務を担っている。

エリアパートナーは単に配布を担うだけでなく、地域をキーワードに、地域住民に近い立場で様々なショートワークにも携わっており、例えば施設の清掃や軽作業支援、空き地・空き家調査など、地域の多様なニーズに応える活動を行い、地域社会を支える重要な担い手として活躍しているという。

加えて、ラストワンマイルを担う人材不足への対応のため、ドライバー育成プログラム「HanaLogi」(ハナロジ)を立ち上げたことも引用している。

(藤原秀行)※いずれもセイノーラストワンマイル提供

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