公取委、57社に8983個
公正取引委員会は10月9日、三菱重工業系の三菱マヒンドラ農機(松江市)子会社で農機の製造などを手掛けているリョーノーファクトリー(同)に対し、業務発注先に金型などを無償で保管させていたのは下請法で禁じる「不当な経済上の利益の提供要請」に該当するとして、再発防止を勧告した。
併せて、三菱マヒンドラ農機に対しても、グループ企業が下請法を順守するための実効性ある取り組みを講じるよう申し入れた。
公取委によると、リョーノーは部品製造の委託先57社に、遅くとも2023年10月以降、部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、金型や木型など8993個を無償で保管させていた。
リョーノーは公取委の指摘を受け、24年3月~今年8月の間に、委託先1社が保管していた780個の金型などを廃棄。また、23年10月から2個の金型については委託先1社に保管費用の支払いを始めた。他にも廃棄や費用支払いの協議を始めているという。
三菱マヒンドラ農機は同日発表したコメントで、リョーノーが保管費用に相当する分を早急に支払い、不要となった金型などは今後、早期に回収・廃棄すると説明。「グループ全体で社内体制を再整備し、法令順守の徹底および取引の適正化を図ってまいります」と強調、謝罪した。
(藤原秀行)