9月の米国向けアジア10カ国・地域発海上コンテナ、中国は5カ月連続の前年割れ

9月の米国向けアジア10カ国・地域発海上コンテナ、中国は5カ月連続の前年割れ

米デカルト調査、全体も1割減で「トランプ関税」の混乱続く

米調査機関デカルト・データマインが10月14日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、9月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比9.7%減の169万6044TEU(20フィートコンテナ換算)だった。

3カ月ぶりに前年の実績を下回った。全世界ベースで見ても7.3%減の232万2928TEUと3カ月ぶりに前年水準を割り込んだ。
 
米国でトランプ大統領が中国などからの輸入品を対象に関税を引き上げる動きを強めており、世界の貿易に混乱を引き起こす中、9月は中国や韓国が2割近く落ち込むなど、10カ国・地域のうち6カ国・地域がマイナスとなった。



10カ国・地域のうち、取扱量が全体の約5割を占めてトップの中国は18.0%減の88万8400TEUで、5カ月続けて減少した。減少幅は6月から徐々に縮小していたが、9月になって再び拡大した。

2位のベトナムは前年同月比19.3%増の24万7950TEUと大きく伸びた。一方、3位の韓国は18.1%減の16万5304TEU、4位のインドは2.1%増の8万5760TEUなど、国・地域によってトランプ関税の影響の度合いが依然異なっていることを示唆している。

マレーシアは85.8%増、スリランカは50.4%増となっており、中国から輸入先をシフトしている可能性がある。

世界発米国向けコンテナの9月実績を原産国ベースで見た場合でも、中国は前年同月比22.9%減った一方、ベトナムは7.0%増、インドも5.2%増、タイが11.5%となるなど、動きが分かれている。

品目別では上位10品目のうち9品目がマイナス。家具類は8.5%減、唯一プラスだったプラスチックは5.4%増、機械類は6.7%減、電子電機は18.0%減などとなった。

米国発アジア10カ国・地域向けの8月のコンテナ輸送量は、首位の中国向けは前年同月比42.6%減の6万5563TEU、2位のインドが12.9%増の6万4182TEU、全体では3.0%増の49万3051TEUだった。



(藤原秀行)

経営/業界動向カテゴリの最新記事