東プレがウイングアーク1stの在庫適正化ソリューション導入、空調機器関連製品・部品の在庫金額30%削減

東プレがウイングアーク1stの在庫適正化ソリューション導入、空調機器関連製品・部品の在庫金額30%削減

AI活用した出荷数推移のパターン検知、月40時間の作業時間短縮見込む

ウイングアーク1stは10月17日、プレス関連部品や空調機器関連製品などを手掛ける東プレが、 ウイングアーク1stのBI(ビジネスインテリジェンス)ダッシュボード「MotionBoard」の在庫適正化ソリューションを導入し、稼働開始から1年で在庫金額を30%削減したと発表した。

併せて、出荷数推移のパターン検知にAIを活用することで 、月間40時間の作業短縮を見込んでいる。




在庫適正化ソリューションのテンプレートで構築したダッシュボード(ウイングアーク1st提供)

東プレの空調機器部が扱う製品は多品種小ロット生産で、材料・部品点数は約3万品目、実在庫だけでも1万5000品目に達する。各製品の販売数量の変動も大きいため、在庫を適切に保つのが難しく、欠品を防ぐために過剰在庫を抱える傾向にあった。

在庫調整のための判断基準がないことに加え、従来は生産管理システムから実績データを1つずつ抽出し、エクセルで分析・可視化して在庫調整を行っており、多くの手間と時間を要していた。

そこで、BIツールの導入を検討した結果、MotionBoardの在庫適正化ソリューションの採用にこぎ着けた。

データの見せ方を自由にカスタマイズできる柔軟性、生産プロセスの改善に役立つ多様な分析のスキーム、データ分析の活用の幅の広さが評価されたとみている。

東プレは2024年4月にMotionBoardの在庫適正化ソリューションの導入プロジェクトを開始し、製品・部品在庫の状況を分析・可視化するためのダッシュボードを6カ月間で構築、同年10月に本格稼働をスタートした。



従来は担当者の経験に依存する傾向にある「安全在庫の理論値」をMotionBoardの在庫適正化ソリューションのテンプレートで算出し、その理論値を参考に生産管理システムのパラメータを調整。実際の在庫数が設定値を下回った際に適量の発注をかけ、在庫数が「安全在庫」を下回らないようコントロールすることが可能になった。

今後、東プレは在庫金額をさらに10%削減することを目指すとともに、この取り組みを生産管理部門以外の部門に広げていくことも視野に入れている。

(藤原秀行)

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