ロジスティードなど参加、26年度中の商用販売開始目指す
椿本チエインとロジスティード、三菱HCキャピタル、椿本チエインとKDDIの合弁会社Nexa Ware(ネクサウェア)の4社は10月30日、物流倉庫向けの遠隔フォークリフト操作システムの実証実験を展開すると発表した。
システムは既存のフォークリフトにセンサーやカメラ、アクチュエーターなどを後付けし、遠隔操作を可能にする仕組み。
11月4日にロジスティードの館林営業所(群馬県館林市)で、現場のフォークリフトにシステムを設置し実際のオペレーションに投入、実証実験を始める。期間は今年12月26日までの予定。
実証を通じて遠隔フォークリフト操作システムの機能・性能、事業性評価を行い、並行して2号機開発も進め、2025年度中にトライアル販売、26年度中に商用販売をそれぞれ始めたい考え。

遠隔フォークリフトの評価検証機

遠隔フォークリフトの操作卓
三菱HCキャピタルとロジスティード、Nexa Wareの3社は今年3月、物流倉庫向け遠隔フォークリフト操作システムの事業化に向け、共同で検討することで合意していた。
実証実験における技術パートナーとして椿本チエインが参画。Nexa Ware との共同開発により、遠隔操作の効果や課題を見極める評価検証の仕組みを構築した。
評価概要:
| 機能・性能評価 | 物流センターにおけるさまざまなフォークリフトオペレーションを、評価検証システムを活用して実施することで、遠隔フォークリフトの機能・性能について、実際の倉庫業務をベースに評価する。 |
| 事業性評価 | 機能・性能評価の結果を基に、顧客展開方針、ビジネス規模等の事業性評価を実施する。 |
実証実験用に、フォークリフト本体に8個のカメラと15個のセンサーを設置。カメラの映像やセンサーからの情報を遠隔操作卓で確認し、遠隔操作の安全性を確保する。
操作に際しては、フォークリフト本体の走行方向、貨物との位置関係などを、AR(拡張現実)を駆使したアプリケーションを使い、カメラ映像に重畳表示することで操作性の向上、安全性確保を果たす。


操作卓のAR/カメラ映像
フォークリフトの各操作部に取り付ける電動アクチュエーターは、遠隔操作者が行う操作レバーやブレーキペダルなどの微調整が必要な操作を低遅延の通信などでリアルタイムに済ませられるようにする。

ハンドル・レバー操作用アクチュエーター

ペダル操作用 アクチュエーター
各社の役割・本実証実施体制
| Nexa Ware | 遠隔フォークリフトシステムの事業および本実証の実施主体。本実証のフィールド通信環境整備 |
| ロジスティード | 遠隔フォークリフト作業検証による知見と技術検証の提供。本実証のフィールド環境提供および機能・性能評価支援 |
| 三菱HCキャピタル | 遠隔フォークリフトシステムの販売(リース、サブスク、サービス提供等)を見据えた事業性評価支援 |
| 椿本チエイン | 遠隔フォークリフトシステムの開発、本実証の機能・性能評価および本実証のフィールド通信環境整備支援 |
(藤原秀行)※いずれもNexa Ware提供


