日本初、ドローン接近で地上の信号が赤になる物流の実証実験を愛知で開始

日本初、ドローン接近で地上の信号が赤になる物流の実証実験を愛知で開始

ProdroneとJAL、名鉄が連携、離島に空路と陸路で輸送し次世代モデルの確立目指す

Prodrone(プロドローン)は11月10日、愛知県や西尾市、国土交通省と連携し、11月5日に離島の佐久島でドローン物流の長期事業化に向けた実証実験を始めたと発表した。

愛知県が実施している「あいちモビリティイノベーションプロジェクト」の一環として、 国交省の「スマートアイランド推進実証調査業務」と連携し、1カ月にわたって継続する。



実際のオペレーションはProdroneと日本航空(JAL)、名古屋鉄道が中心となって展開している。

一色漁港~佐久島間の海上を航路に設定し、Prodroneの物流ドローン「PD6B-Type3」が荷物を運搬。島内では自動配送ロボットと自動運転車が連携して配送する。空路と陸路をつなげた次世代物流モデルの実現を目指す。

Prodroneはドローン・自動配送ロボット・自動運転車を組み合わせ、日本初となる3次元交通網によるスマート物流モデルの検証を行うと意義を強調している。

今年度は新たに、ドローン連動型信号機システムを島内に設置した。ドローンが50m以内に接近すると信号が黄色に、さらに近づくと赤に変化する。空域と地上交通の安全を一体的に管理し、空と道をリアルタイムに連携させることを念頭に置いている。

ドローンはウインチ式荷物着脱システムを活用し、機体を着陸させずに上空から安全に荷物を届ける運用も開始。ドローン配送をより身近な社会インフラへ進化させることを目指す。

昨年度に実施した同プロジェクトでは、ドローンによる定常的な離島配送の有効性を確認しながら、ラストワンマイル配送や運用コスト、積載制限などの課題を抽出した。今年度は成果を踏まえ、持続可能なビジネスモデルの構築を目指す事業化フェーズに踏み込みたい考え。




信号が変わり、ウインチを使って荷物を下す様子


ラストワンマイルを担う自動配送ロボット

■実証実験の概要
実施期間:2025年11月5日(水)~12月上旬(予定)
実施場所:愛知県西尾市佐久島および一色漁港間
目的:ドローンを活用した物流サービスの長期事業化に向けた検証
主な連携機関 :愛知県、西尾市、国土交通省、名古屋鉄道株式会社、日本航空株式会社、スギ薬局株式会社、名古屋大学、リベラ株式会社

■実証スキーム

■飛行ルート

■自動配送ロボット、自動運転車走行ルート

赤:自動運転車、青:自動配送ロボット(東・西地区)



(藤原秀行)※いずれもProdrone提供

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