専用フェリーでビールを輸送、物流効率化と環境負荷低減図る
日産自動車とサッポロホールディングスの両社は12月1日、サッポログループ物流とも連携し、日産が保有する専用フェリーを活用した海上輸送を共同で同日開始したと発表した。
日産は関東エリアで自動車部品や完成車を専用フェリーに積載し、日産自動車九州(福岡県苅田町)に隣接する専用ふ頭へ輸送している。
これまで、九州からの復路は完成車や空積みの状態のシャーシ(荷台部分)を関東エリアの専用ふ頭へ回送していた。
往路で車両部品を積載していたシャーシに、復路ではサッポロビール製品を積んで輸送することで、フェリーの積載効率を高めて輸送の効率化を図るとともに、CO2排出量の低減を同時に実現したい考え。
同区間をトラックでサッポロビール製品を輸送した場合と比較して、年間約55%のCO2排出削減効果を見込む。
さらに、全工程をトラックで輸送すると仮定した場合、九州~関東の約1200kmの距離に19時間ほど要するとみられるが、フェリーも合わせて利用することによりトラックでの輸送時間を約4時間半に抑制することが可能で、長距離運転によるドライバーの労働負荷低減など、物流業界が直面する社会課題の緩和にも寄与できるとみている。

概要
輸送区間
[往路]積み地 :日産自動車工場(神奈川県) 降ろし地:日産自動車工場(福岡県)
[復路] 積み地:サッポロビール工場(大分県) 降ろし地:サッポロビール工場(千葉県)
主な輸送製品
・日産自動車:自動車部品・完成車など
・サッポロビール:ビール製品など

日産は専用フェリーを7隻運航しており、大型船では、1隻当たり完成車を804台、自動車部品を積載するためのシャーシ113台積載することが可能。海上輸送時には、トラックの先端にある駆動部(キャビン)を切り離し、シャーシ部分のみフェリーに積み込む。到着地の港で駆動部を再度連結し、陸上輸送につなげる。
(藤原秀行)※いずれも両社提供



