国交省、国際物流のルート多元化・強靭化で4事業者と実証実験へ

国交省、国際物流のルート多元化・強靭化で4事業者と実証実験へ

住友倉庫など、コストやリスクなど検証予定

国土交通省は12月4日、「国際物流の多元化・強靱化に係る実証輸送」に参加する事業者として4件を選定したと発表した。

ロシアのウクライナ侵略など世界の環境が激変する中、安定的なグローバルサプライチェーン確保に向け、国際物流のルートの多元化と強靱化を図るため、実証輸送を行う。モード転換や新規ルート探索に加え、既存の成果を発展・深化させることを念頭に実証輸送を展開し、有効性を深掘りするのが狙い。

国交省が9~10月に公募した結果、以下の4件を選んだ。

・ウズベキスタン・タシケント→日本(青島、連雲港ではなく上海経由ルート)=GWGロジスティクス
・日本→サウジアラビア(紅海、ペルシャ湾岸を経由しないルート)=住友倉庫
・日本→モンゴル(RORO船・オートワゴン鉄道使用で大連経由ウランバートルのルート)=日本郵船
・日本→タイ(メルボルン経由レムチャバン向けでRORO船を活用したルート)=ホンダ

参加事業者の協力を得て今年12月から2026年3月にかけて実証実験を行い、輸送コスト、リードタイム、輸送品質、輸送の際の手続き、トレーサビリティ、BCPルートとしてのリスクなどを検証する。その結果は報告会や報告書などの形で公表する予定。

NO. 事業者名 カテゴリ 貨物 内容
1 GWGロジスティクス 物流事業者 甘草エキス ●ウズベキスタン・タシケント→日本(青島、連雲港ではなく上海経由ルート)
2 住友倉庫 物流事業者 水処理膜用の原料 ●日本→サウジアラビア(紅海、ペルシャ湾岸を経由しないルート:オマーン・サウジアラビア ランドブリッジ)
3 日本郵船 物流事業者 中古車 ●日本→モンゴル(RORO船・オートワゴン鉄道使用で大連経由ウランバートル向けのルート)
4 本田技研工業 荷主企業 自動車、二輪の補修部品 ●日本→タイ(RORO船を活用したルート:メルボルン経由レムチャバン向け)

(藤原秀行)

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