双方のサービス利用促進目指す
楽天グループとライドシェアや宅配などを手掛ける米ウーバーテクノロジーズの両社は12月9日、日本で連携を強化すると発表した。
日本で事業展開しているウーバージャパンのタクシー配車サービス、ウーバーイーツジャパンの食品宅配サービスを使った際、ユーザーへの楽天ポイント付与率を高め、双方のサービス利用を促進することを目指す。
楽天とウーバーは2022年に提携を開始。ウーバーの配車や食品宅配のサービスを利用する時に楽天IDと二次元コード決済「楽天ペイ」を使えるようにした。
今後は配車や食品宅配のアプリで楽天IDを連携させておけば、利用額が税別200円ごとに楽天ポイントを1ポイント付与する。楽天ペイで支払った場合に獲得できる楽天ポイントと合わせればユーザーは従来以上に楽天ポイントを多く積み上げられるようになると想定している。
ウーバーは楽天の会員情報を活用し、ユーザーの嗜好に合ったサービスの紹介などにつなげたい考え。
両社は今後、新たなサービスの開発を視野に入れている。楽天グループのぐるなびに登録している飲食店の料理をウーバーが届けることなどを検討するとみられる。
東京都内で同日、記者会見した楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は「今日の発表は第一歩。ウーバーと当社双方のエコシステム(生態系)を掛け合わせながらさまざまな可能性を広げていきたい」と述べ、ウーバーと連携した事業拡大に意欲を見せた。
同席したウーバーテクノロジーズのダラ・コスロシャヒCEO(最高経営責任者)は「楽天とウーバーのお客様がより密接に結び付く。タクシーに乗車したり料理を注文したりするたびに楽天ポイントがたまる。これは生活費が高騰する中、非常に重要な意味を持つ」と連携強化のメリットをアピールした。
新たに付与する楽天ポイントの原資はウーバー側が負担することも明らかにした。


会見時に撮影に応じるウーバーテクノロジーズ・コスロシャヒCEOと楽天グループ・三木谷会長兼社長
(藤原秀行)


