日本郵船とENEOS、北米で船舶向けメタノール燃料の供給網構築目指す

米船級協会などと連携、海運の脱炭素促進

日本郵船とENEOSは12月12日、米船級協会（American Bureau of Shipping、ABS）、米海運会社SEACOR Holdings（シーコアホールディングス）の両者と組み、北米で船舶向けメタノール燃料の供給網構築を目指すと発表した。

米ヒューストン近郊で船舶向けメタノール燃料のバンカリングとサプライチェーン構築を実現するため、共同検討を開始した。

4者は連携し、商業規模としては米国初となるShip to Ship方式（燃料供給船が船舶に横付けして燃料を供給する手法）を採用し、船舶向けメタノール燃料の供給網を展開していきたい考え。

再生可能エネルギー由来やバイオ由来の低炭素メタノールは、常温・常圧で液体のため、利便性が高いのがメリット。海運領域の脱炭素につながると期待が高まっている。

ENEOSは、出資先のC2Xが米ルイジアナ州で進めているプロジェクトで製造予定のグリーンメタノールなど、低炭素メタノールの調達および海運会社向けの供給を目指す。

日本郵船は船舶向けLNG（液化天然ガス）バンカリングの供給網構築実績を活かし、メタノール燃料供給船の整備に向けて知見を提供する。

SEACORは米国で内航船を多数運航してきた経験を活用し、メタノール燃料供給船の保有・運航に関するノウハウを共有する。ABSは米国におけるメタノールバンカリング事業を行う上で安全・規制面の課題クリアを後押しする。

参画者の主な役割

（藤原秀行）